雪原の足跡

 小鬼の群れが、深い雪の中を進む。


 普通ではない、ひどく統率のとれた動き。


 小鬼たちが雪深い森の中を進む。


 小鬼はみなどこか緊張したかのような面持ちだった。


 その背後から、地震のような、激しい地響きが続く。


 高く、高く見上げるような何かが、歩いていた。


 巨体を揺らし、ただひたすらにどこかを目指している。


 それは、まるで動く小山だった。


 しばらくして、すべてが雪の中に消えていく。


 残されたのは、屋敷ほどもあろうかという巨大な足跡だった。

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辺境騎士ショルツは今日もため息をついている 雨雲ばいう @amagumo_baiu

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