設定資料集

・登場人物


 ショルツ・ド・バイヨン

 北方騎士団に所属する特任騎士。扱いの難しい刺突剣を使った剣技の達人であり、騎士団内でも三本指に入るほどの騎士。その腕前はかつて竜すらも退治したことがあるほど。面倒くさがりで平穏な日々を愛している。マルグレット卿は自身の一番の友人である。副団長であるシナトラ卿はなんだかんだいっても尊敬している。パトリシア殿下の剣術指南役は嫌で仕方がなかったが、地下都市での一件後は殿下を見直してまんざらでもなくなっている。


 マルグレット(本名:マレシア・ド・トゥルモンド=モラングリット)

 北方騎士団に所属する特任騎士。騎士団内で肩を並べる者がないほどの凄腕の弓使いで、騎士団内でも三本指に入るほどの騎士。キメラを倒した武勇がある。品行方正で優しい、お人好しな性格である。しかし、実はパトリシア殿下の父であるアグラシウス七世に滅ぼされた王族の分家、モラングリット公一族最後の生き残りである。密かに王家への恨みでパトリシア殿下の命を狙っていたが、ショルツ卿に諭され、改心した。騎士団内でも一番親しいショルツ卿には並々ならぬ思いを抱いている様子。シナトラ卿には命を救ってもらった大恩がある。パトリシア殿下にはついつい邪険に接してしまうという悩みを抱えている。


 パトリシア・トゥルモンド

 王国の現国王、アグラシウス七世の娘で、皇太子であるアンドロマリアの妹。王位継承争いでアンドロマリア殿下に北方騎士団団長の位に左遷された。騎士冒険譚に憧れており、時折自身の立場を考えない困ったわがまま姫様。しかし、地下都市での一件で成長し、自身の背負う義務に向き直ろうとしている。目の前で死闘を繰り広げてまで助け出してくれたショルツ卿はお気に入りの騎士。シナトラ卿の小言は今まで聞き流していたが、考えを改めてからは耳を傾けるように。マルグレット卿との間にはちょっとした溝がある。


 シナトラ・ド・モンタギュー

 北方騎士団の副団長にしてその屋台骨。書類仕事や政治工作に長けているのはもちろんのこと、騎士団内でも三本指に入るほど優れた騎士である。厳格な人物だが、恥じらいを感じることも。もとは王家に仕えて法を司った宮廷貴族の出だが、没落した。パトリシア殿下が目下最大の問題。ショルツ卿もマルグレット卿も優秀な部下として信頼している。


 グウェンドリン卿

 パトリシア殿下お抱えの騎士の一人。王家の宮宰の一族、名門ラシュタッド家の出でもある。冒険譚に目を輝かせるなど無邪気な性格の少年で、人好きのする人物である。基本的に北方騎士団の騎士を尊敬している。パトリシア殿下には敬意を示しつつも親しい間柄である。


 オルドラン・ド・モルドール

 パトリシア殿下お抱えの騎士の一人。パトリシア殿下の剣術指南役を任されていた。北方騎士団を見下していたが、ショルツ卿に騎馬試合で敗北することでその態度を改めた。敵の多いパトリシア殿下のためにショルツ卿を巻き込もうとするなど計算高い一面も。パトリシア殿下に絶対の忠誠を誓っている。


 スキニウス・ガレディウス・スピカ

 はるか昔に滅びた古代ロンデルニア帝国の第七軍団長。滅びていく帝国を憂いてかつての栄光が再現された地下都市を築き上げ、人々と共に移り住んだ。地下都市を守り続けるため、その身を怪物に堕としている。地下都市から次々と人々が去り、皇帝にまで見捨てられて絶望していたが、たまたま姿を現した皇帝の血をひくパトリシア殿下を新たな皇帝だと考え誘拐しようとした。水没した地下都市を石像たちに任せ、騎士スキニウス卿としてパトリシア殿下に忠誠を誓っている。


 モーディアス卿

スキニウス卿と同じく、かつてのロンデルニア帝国の軍団長の一人。騎士モーディアス卿として地下都市を離れパトリシア殿下に仕えている。


 グラシニアス三世

 "征服王"の異称を持つかつての国王。北方の支配を固めるため三百年前に北方騎士団を創設した。かつて地下都市から最後の皇帝を連れ出した張本人。


 アンドロマリア・ド・トゥルモンド

 現皇太子にして第一王女であり、現在の王家の実質的な支配者。その国王即位は確実視されているが、実の妹であるパトリシア殿下を北方騎士団の団長として左遷した。


 アグラシウス七世

 弱冠十歳にして王位についた怪物的な国王。巧みな政治手腕と軍事的才覚で国内の有力諸侯を次々と倒し、王家の領地を拡大させた。


 シャンドラニウス一世

 王国の建国者にして古代ロンデルニア帝国に真正面から立ち向かった伝説の王。



・用語解説


 北方騎士団

 王国北方の王領を支配するために創設された騎士団。ボルゴグラード城をその本拠地としている。その指揮官である団長は王家が指名することになっているが、その日々が常に危険と隣り合わせであることや辺境に領地を持っていることも相まって近年はもっぱら左遷先として利用されている。

 騎士はそれぞれ自身の宿舎によって四人の分館長に率いられ、その頂点に副団長たるシナトラ卿が立っている。ほかに副団長直轄の特任騎士が存在する。


 古代ロンデルニア帝国

 かつてこの世界を数千年間にわたり支配してきた大帝国。その版図は現在の王国の十倍はあったといわれている。属州や奴隷の反乱、元老院の権力闘争と腐敗で力を失い、最後には王国に帝都を滅ぼされた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る