浮かび上がれないほどの感情に、ずっと溺れていたのだ。

――あぁ、このきれいさが正しいんだろうな

琴の泡を見て、詩子は思った。
物心から、人の口から零れる泡を見た。誰にも信じてもらえない中、信じてくれたのは、幼なじみの男の子誉だった……。

何気ない会話に、ぐるぐるとした感情と、透き通った心情描写。
弾くような夏の光と、彼女たちからこぼれる泡、水色の空が見えてくる。

感情と描写が重なった、すばらしい作品。
こんな言葉を使うと、読みづらい人もいるかなと思ったけど、あえて使いたい。――エモい!!