自分の中の獣性に響く。

はじめは猟奇ものということで恐る恐る読みはじめました。また、わたしはいわゆるバディものがあまり得意ではなく、これまで触れてきたお話はどの辺りに共感を置けば良いのか迷うものも多かったのです。しかし本作は、たしかに残虐シーンの描写も多いのですが、主人公の稀有な出自と属性を背景に、ケモノがヒトの社会で生きること、ケモノとヒトの心の間で逡巡すること、その描写がとても魅力的で、しっかり感情移入しつつ読ませていただくことができました。ある意味、自分の中のケモノに反応したのかもしれません。

なんか、こういう言葉も主人公に一蹴されそうですね。されたいです。えっわかんないよそんなの! 良いから一緒に行こう! って、乱暴に手を引っ張られて、夜の街を疾駆したい。

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