自分の持ちうるもので生きる。そういった強さがほしいと思った。

 健康なときは自分の体や心のことなんか関心ないくせに、一旦何か患うと健康な時の自分を羨ましくなる。そして、つまらないことを呟く。
 オカンさんはすごい。しんどかったことを経験してもなお、ユーモアとして文章に残してくれるのだから。
 僕も、オカンさんの文章から創作者として生きる指針をもらえた気がする。

 吾輩は猫であるの猫が水瓶に落ちたときに「もうよそう、勝手にするがいい。ガリガリは御免蒙るよ」といって自分の死を受け入れたように、オカンさんはしんどい生を受け入れているのだと思った。それも、諧謔を交えながら。
 僕も、その強さを持って生きていけたらなと思うのだが、中々出来ない。弱い自分に向き合いながら、周りに頼って生きるのって案外難しい。若くても、生きることを諦めかける瞬間など何度もある。
 それでも、生きようと思える出会いもある。乗り越えた者の眼差しに宿る光を見たときだ。そういった出会いを繰り返して自分の寿命を伸ばしながら、自分も誰かの出会いになれたらなと思った。

 創作を続けながら生きづらい世の中を生きている先達がいるのであれば、僕もオカンさんの歩いた道を目印に歩いていけそうだなと思いました。

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