小説家になろうとカクヨムの違い——とある素人物書きが遭遇した不思議な出来事とその原因

たけや屋

小説家になろうとカクヨムの違い——とある素人物書きが遭遇した不思議な出来事とその原因。及び小説投稿サイト二大巨頭の傾向と対策

 自分は最初、カクヨムだけに作品を投稿していました。それが今年8月末辺りからこちら小説家になろうにも投稿を始めました。基本的にほぼ同じものを載せています。それぞれのサイトにしかない部分については細かく変えていますが。

(なろうの『前書き・あとがき』や『ランキングタグ設定』。カクヨムの『キャッチコピー』など)


 それ以外の本文はほぼ同一のものです。

 なので当然、どちらのサイトでも似たような反応が返ってくると思っていたんですよ。


 今まではおおむねその通りでした。基本的に読者数はなろうの方が多いなーとか、趣味系のエッセイはカクヨムの方が反応あるなーとか。まあそのくらいの違いでした。

 ところが先日、とある作品を双方のサイトに全く同日時に投稿したら、スゴく極端な結果が返ってきたのです。

 それは、


【ジャンヌ・ダルク——聖女とは、職業でも役割でもジャンル名でもない。現代人が思い描く【聖女ジャンヌ】というイメージはどこから生まれたのか?】


 という短編エッセイです。

 投稿時間はカクヨムが10月4日12時20分(なろうは21分)。

 内容は両サイトの独自仕様以外はほぼ同一。

 それなのに、その結果は全くといっていいほど真逆だったのです。


 10月7日17時現在、

 小説家になろうでは日刊エッセイランキング4位。

 カクヨムではPVすらゼロ。当然フォロー(カクヨムでのブクマ)や星評価など入るはずもなく。


 うん、これはかなり極端ですね。

 で、これはなぜなんだろうと思ったのが本エッセイの出発点。


 なろうとカクヨムはどこがどう違うのか。両サイトが力を入れている部分はどこなのか。そういう疑問が頭にもやもや湧いてきました。なので勢いのまま本作を書いています。

(なお、自分は主にPCから見ていますのでPC版のことについてを語ります。世の主流はスマホ版らしいですが、まあ基本的な傾向は似たようなものでしょう)


 ◆ ◆ ◆


 まずは、サイトの顔ともいうべきトップページです。

 ここを見れば、そのサイトがなにを重要視しているのかがわかります。

(今回は話を単純化するため作品が表示される部分だけを語ります)


 なろうは月間ランキングがどーんとジャンル別に10位まで。

 その下は完結済みの連載小説が20枠。その下に更新された連載小説が10枠。その下に新着の短編小説が20枠。その両サイドにお知らせやらタイアップ企画なんかですね。

 そして『小説を読もう!』の方に移れば、新着小説・完結済み連載小説・短編小説の中から探せるようになっていて、

 その下には人気キーワード・ジャンルから探せるようになっています。

 その下はランキングから探すの欄に【ジャンル別・総合・異世界転生/転移】が。

 そこから下には小説PickUp!が10枠と、みんなのイチオシレビュー8枠が並列。


 カクヨムについては皆さんご存じでしょうから省略しましょうか。


 さて、以上のことから見えてくるものを書いていきます。


 ◆ ◆ ◆


 まず、なろうは【月間ランキング】【完結済み連載小説】【短編小説】を優遇しています。トップページでの扱いもデカいですからね。


 対してカクヨムは前日までに星の入った【注目の作品】と各種の【週間ランキング】を優遇しています。累計ランキングは1番上にありますが7枠のみ。対して週間ランキングはジャンル別でもあらゆるコンテストでもこれが採用されています。


 どのようなサイトでもご新規さんを呼び込みたいと思っているはずです。

 つまり、なろうは【実績があり、なおかつそこそこの流動性もある月間ランキング】と【さらっと読めちゃう短編小説】を両軸に読者を増やそうとしているのです。


 対してカクヨムは、YouTubeやTikTokでおなじみのオススメ機能【注目の作品】が最前面。そうすることでその読者お気に入りのジャンルを広く読んでもらおうとしています。どんなド新人でも1回星さえもらえれば、あとは最も目立つ場所で輝ける可能性アリ。

 ランキングは結構下の方に置かれていますので重要度は低いですが、それも流動性の高い週間です。


 では逆に、両サイトで軽視されているのはどんな部分なのか。

 これはもう、なろうだと完結でも短編でもない【更新された連載小説】ですよね。完結作に対して数が圧倒的に多いであろう連載中の小説に、たったの10枠しか用意されていないんですから。あっという間に流れていっちゃいます。

 固定ファンの付いていない新人にはツラい仕様です。


 対してカクヨムだと、これはなろうと逆に【短編小説】ですね。短編独自の表示欄は特にありません(短編にしぼった検索はできます)。『最近完結した小説』の欄も長編作品限定なのですから。短編はホント露出の機会が少ないんですよ。

 まあ一旦星さえもらえれば、最も目立つ【注目の作品】に載り続けられる可能性もあるんですが。そこまでがツラいのです。


 ◆ ◆ ◆


 で、今回自分が投稿したのは、カクヨムで苦戦を強いられる短編エッセイ。

 なろうだと日間エッセイ4位でも、カクヨムではPVすらゼロ。

 なぜこんなことが起こったのか? という疑問は、


『サイトごとに力を入れている部分が違うから』

 ということに。まあこりゃちょっと極端な結果ですが。


 中にはカクヨムで短編中心に活躍してらっしゃる作家さんもいれば、なろうで連載をいくつも同時並行されている作家さんもいらっしゃるはず。

 たまたま自分の場合がこうなっただけなのかもしれません。


 ですが、サイトごとの傾向というのは確実にあります。

 それがわかれば、対策も打てるというものです。


 みなさん、ご自身の性質に合った場所でのびのびと活動を続けましょう。


 ◆ ◆ ◆


さて、本エッセイの元ネタであるジャンヌ・ダルクを題材とした短編エッセイ、


【ジャンヌ・ダルク——聖女とは、職業でも役割でもジャンル名でもない。現代人が思い描く【聖女ジャンヌ】というイメージはどこから生まれたのか?】

https://kakuyomu.jp/works/16817330648018397856

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