第4話 業魔とごはん
お昼休み。
また屋上前の
カイが
元々、
階段に
ミヤビは学食のそばを持ってきて
「話の続きだけど……自殺しようとしたの?ハルカ」
『い、いや、本当に死ぬつもりじゃなくて、死んだらどうなるんだろうって思っただけで』
「
カイ、余計なことを。
「わたしが友達と話してるのを立ち聞きして? それで死のうと?」
そんなことで?と言う目をしている。
『う、本当に死ぬつもりじゃなかったんだよ?気の迷いだよ』
我ながらメンタルが不安定だと思う。
「いえ、ハルちゃんは死のうとしてましたよ?」
『だから、なんでカイにそんなことがわかるの?』
「僕が自殺を止めたからだよ、ハルちゃん」
え? え?
「僕は死んだ人間の価値、前にあった人間は『カルマ』と呼んでいましたね。それを食べて存在しています」
「カルマって宗教とかで言ってるやつ?」
「どうでしょう?ちょっと違う気がしますがまあ、カルマを食べるとしましょう」
「ハルちゃんのカルマはすごく少なくて、美味しくなさそうなんです。
自殺をするとカルマは巨大化するのですが、すごく不味いんです。苦手な味。
僕はハルちゃんを食べたくなかったので、死んでほしくなかった。
なので、『自殺しようとするカルマ』を食べてみたんです」
『生きてる人のカルマも食べれるの?』
「いえ、普通は無理です。なのでハルちゃんと『縁』を結ぶ必要がありました。
縁の操作は得意なので、つないだ縁から少しづつカルマをもらいました。まずかったです。」
ええ…
「でも、効果はありましたね。ハルちゃんは怖くなってやめたみたいですね」
それが本当なら、カイは命の恩人?になるのかな?
「おどろいたのはこれからです」
え?
「縁を結んだら、ハルちゃんは僕が見えるようになりました。びっくりです」
ああ、なるほど。
「そして、結んだ縁が解けなくなっちゃいました。えへへ」
ふんふん?
ん?
えええ!?
「僕はハルちゃんから離れることができません」
は、離れられない? ずっと一緒?
「ハルちゃんにカルマを増やしてもらって、それを貰えば解けると思います」
そんな…
「安心してください。姿は消せるので、見たくない時は消えますからね」
みられたく無い時はどうなるの?ねえ。
私が
「ねえ、そいつどうにかして
「そ、そんな。ミヤビさん僕と仲良くしてくださいよう」
ミヤビにすがり付く。
「
「カルマっていうのはあまり良い意味で使われないと思ったけど、そんなものをハルカに
私としても、カイが言っていることが本当なら命の恩人だけど。
嘘だったら怪しい存在なわけで……うーん。
『そもそも私とミヤビで、カイの見た目が変わるのはなんでだろう』
カイがこちらを向いて言う。
「僕には肉体がありません。
そして僕の
善悪が無いこの体は、見る人によって見た目が変わります。人によって悪魔にも天使にもなるのでしょう」
へー。
『うーん、やっぱり
「カルマは貯めようとして貯まるものではありません。自然と生活していく中で
でも、とミヤビを見つめる。
「ミヤビさんはとっても美味しそう!僕にミヤビさんを食べさせてください!」
ひぃっとミヤビが後ずさる。
『生きている人間は食べられないんでしょう?ミヤビとも縁を結ぶの?』
「そうなんです。ハルちゃんの時のように一方的に縁を結ぶ事を『
『じゃあどうやって?』
「ハルカさんが『
『許可?』「許可?」 声が重なる。
「はい。あなた方二人は常識ではあり得ないくらい『強い縁』で、すでにつながっています。その縁を利用する事を僕に『許可』してくれれば、晴れて僕はミヤビさんのカルマを食べることができます」
『強い縁』…… そんな?
ミヤビと見つめ合う。 相変わらず美少女だ。
い、いや、昨日立ち聞きしたセリフがどうしても引っかかる。
(「ハルカは友達なんかじゃない」「わたしがハルカの世話ばかりしている。対等じゃない。一緒にするな」)
私はミヤビに迷惑をかけ続けていた。
これ以上迷惑はかけたくない。
『ごめん、ちょっと考えさせて』
「ハルカ?」
予鈴がなる。お昼休みが終わる。
「……ハルカ。学校が終わったらわたしの家に行こう!話したいことがある」
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