第5話 ミヤビとハルカ
ミヤビの家は
子供の頃は二人で
道場にはまだ誰もいなかったけど、小学生達がこれから来るので、誰も使っていない
『高校生になると
「ここだったらオバケと話してても怪しまれないでしょ?」
ミヤビが、ごろんっと寝転ぶ。
ミヤビは紛れもない美少女だ。だが、その所作はまるで子供だ。可愛い。
ミヤビは、あっと言って部屋に備えられた
『
「ずるいよね、こんなところに
その笑顔は子供の頃と全く変わらない。
でも私は、まだミヤビに見捨てられたという気持ちが消えない。
礼を言ってお茶を受け取る。 畳にしゃがみ、壁に背をもたせかける。
一瞬の間が空き、ミヤビが話し出す。
「昨日、わたしが友達と話してたの聞いてたんだ?」
『う、うん』
「ハルカは友達なんかじゃない。わたしがハルカの世話ばかりしている。対等じゃない。一緒にするな」
『う……ん』
「その通りじゃない」
『え……?』 胸が張り裂けそうになる。
「ハルカは私の『姫』!わたしは『騎士』!わたしがハルカを守る!」
『あ、さっきの……』
「忘れちゃった?」
?
『あ、子供の頃にミヤビがよく言ってた』
「そうそう。だから友達じゃない」
ええ〜!!
「騎士は姫の世話をする」
そうかなあ……。
「姫と騎士は対等では無い。当然」
そ、そんなメチャクチャな……ん?
『そ、それを友達たちに話したの?』
「うん。すっごい笑われた」
『そりゃそうだよ! そんなこと話したら、からかわれちゃうんじゃない?』
「いいんじゃない?そんなのすぐ飽きるよきっと。」
つ、強い。
「あいつらね、ハルカを紹介しろって言ってきたの。友達なんだろって」
え、こわい。
「真面目に言ってきたら考えたけど、ふざけてたから断った。
でもしつこく言ってくるから言ったわけよ。『友達じゃ無い!姫だ!』」
恥ずかしい。やっぱり死にたい。
『そんなこと言わずに適当にごまかせばよかったのに!』
「ごまかすとしつこく言われるじゃん。
だから本音をバチッと言い切って、なんか文句ある?って態度でいれば良いの。
その時はみんなで笑うけど、それ以上はからかってこないよ。本気は伝わる!
彼らだって悪人ではないよ?……多分。 少なくとも嫌なやつらではないよ」
ミヤビはすごい。学校の怖そうな人達とも仲良くしているし、場合によってはミヤビが彼らを従えているようにも見える。
『だからミヤビは私を避けるようになったの?彼らに会わせないように?』
「違うよ、一番こわいのはわたし」
?
「わたしは、ごまかしが言えない。
自分も
もちろんハルカにも嘘がつけない。
こんな性格でこの世の中生きていくため、自分を強く
すごいな、ミヤビは身も心も強いんだな。 感心する。
「わたしはハルカが
びっくりして心臓が
目を見ればわかる。さっきの
ほんとうだ。 本気は伝わる。
「だからわたしは、ハルカを遠ざけて気が合いそうな人達と遊んでたの。
ごまかしがきかないんだ。自分のこの
うーん、と困ったような顔をする。あと少し恥ずかしそう。恥があるんだ。一応。
「だからハルカ、わたしをあの
ミヤビは自分を
でも、そんな風に考えていたんだ。
私は勝手に落ち込んでいたのかな。
だけど、今の話を聞いたらそれこそミヤビを
実際にカルマを食べられたら人間はどうなるんだろう?
カイとも話し合ったほうがいいかな。
『カイ、そこにいる?』
「はい、もちろんいますよー」 透明になっていたカイが現れる。
『カルマを食べられたら人はどうなるの?』
「本来、生きた人間からカルマを食べる
ハルちゃんから離れられなくなってしまったのも、生きたハルちゃんからカルマを食べた反動ですからね」
そ、そんなことを私にしたの?
「
恐い! けど、それならカイは私をかばってくれたのかな?
「ハルちゃん。ここで僕から提案があります!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます