石の中から声が。石への愛に溢れた、ラブありミステリありのファンタジー

地学部の鉱石オタクである蛍は、珍しい石をいつでも持ち帰れるよう、ザックやハンマーを常備。それは、修学旅行でも例外ではありません。

たまたま見つけた空き家の庭石を持ち帰った蛍は、中に化石が入っていると思い、取り出すためハンマーを振り下ろす。
しかしその時、どこからともなく声が。

声の主は、この石が結晶化する際に閉じ込められた魚。一万年ほどこの中にいる彼は、こういう不思議な力を持つことができました。
蛍に石を割らせて自分まで傷ついたら大変と蛍を止めた彼は、そのまま蛍のそばにいることに。

そんな彼女たちの周りで巻き起こる、石に関する様々な事件。
ずいぶん前になくなったひいおばあちゃんの帯留めを買い戻すため、それに付いている石を見て、本物かどうか判断。
文化祭の最中にやってきた、貴重な石を狙った不審者。

蛍の石の知識と、石に入った魚の年の功、それに蛍のいとこの美蘭も加わり、凸凹トリオが事件に向かいます。

作者様の石に対する知識やこだわりに溢れる本作。
さらに、事件解決はもちろん、そこにいたるまでの掛け合いや、合間に挟まれるラブコメ部分も大変面白いです。

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