愛する人へ伝えたいこと。


4000字という制限がありながら、ひと言でいえば、素晴らしい作品です。

このところ、武蔵野文学賞への応募作品を数多く読んできましたが、個人的には一番好きと言える。わずか10分もかからない短編小説。けれど、若いカップルのやり取りに、ほのぼのとする温かさを感じ、煙草を吸うのも中断していたほど。

最後は、結構、儚げなストーリーで涙がぽとり。なのに、ふわっとする優しそうな文章で終わる。こうしたところも良い余韻が感じられます。主人公となる女性の心残りの想いがよく伝わってきます。きっと、かわいい女性なんだろう。

彼は高所恐怖症。だけど、一度で良いから、ふたりでスカイツリーの展望台から美しい武蔵野台地を眺めさせてあげたかった。
そう考えるのは僕だけでしょうか……。

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