武蔵野で、一杯。

 ある日、主人公は夜道を歩いていた。月が照る明るい夜だった。
 そんな夜道で、饒舌な男と無口な女の二人組に出会い、酒場について行くことになった。そこにはつまみもなく、酒だけが提供される不可思議な屋台だった。
 時折、店の周りでガサガサと音が鳴る。それは酒を欲しがるモノたちだった。男は女に、酒をモノたちに与えさせることで鎮めた。
 随分と酒を飲んだが、やはりしゃべるのは男だけで、女は一言もしゃべらなかった。男が言うには、女がしゃべると恐ろしいことが起きるらしい。

 果たして、この無口な女の正体は?
 夜なのに明るいのは何故?
 そして、主人公の身体の描写に隠された時代背景とは?

 短編で雰囲気を醸し出し、まとめる力を持った作者様に、
 いつも脱帽しています。

 是非、御一読下さい。

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