鬼哭渓温泉幻想 (きこっけいおんせんファンタズム)
逆塔ボマー
〔チュートリアル:旧鬼哭渓温泉元湯駅~鬼鳴山神社〕
【旧
その店先に積み上げられたガラクタの中で、何かが一瞬光ったような気がした。
『君』は、直感に従ってそれを手に取る。
何の変哲もない眼鏡ケース。開けると
「そいつが気に入ったのかい? いいよ、
腰が曲がり過ぎて頭身のバランスがおかしくなったようにも見える老婆が、くしゃくしゃの顔にさらに皺を寄せた。本人は笑ってみせているつもりらしい。だが君の目には泣いているような、哀しむような表情にも見える。
改めて周囲を見回す。
旧・
かつてロータリーがあった場所は、割れたアスファルトから伸びた雑草がぼうぼうに伸びた草っ原になっている。
駅前に並ぶ店々も、深くシャッターを閉めて蜘蛛の巣をまとい、人の生活の気配はない。
『ようこそ きこっけいおんせんへ』と刻まれた巨大な木の柱からは、なぜか『こ』の文字だけ二つとも落ちてなくなっている。
そんな既に死にきったような街で、たった一軒開いていたのがこの老婆の店だ。
看板には『土産物
店の棚には首のないお雛様やら、うっかりどこかに鮭を落としてきた木彫りの熊やら、雑多なゴミが無数に積み上がっている。
もはや土産物らしい土産物は見当たらない。奥の方で分厚い埃を被っている瓶はいったい何年物の熟成品だろうか。
きっと街も寂れて観光地商売もうまくいかなくなって、むやみやたらに手を広げた成れの果て、なのだろう。
「そいつはね、むかしウチの隣で自転車屋をやってたジジイが、パチンコ代欲しさに置いてったやつでね。
なんでも『かけると変なモノが見える』って言うんだが、特になんもない伊達メガネだったよ。
あん時はいくら恵んでやったんだっけなァ。
こんな店で儲けを出そうとも思ってないし、いいよ、もってきな」
この辺にパチンコ屋さんなんてあるんですか。
ややズレた質問だなと思いつつ、君は思わず聞いていた。
「もう潰れたけどね。15年前だったかな。こっから麓の街の方にかなり降りたところさ。
チャリ屋のジジイも生き甲斐がなくなったのか、パチ屋が潰れて半月ほどでおっ
パチンコ屋すらも音を上げて店を畳むような、限界を超えた地の果てということか。
老婆はまた顔に皺を寄せた。感情を感じさせない鉄面皮か、この皺くちゃか、二つしか表情パターンがないようだった。
君はなんとはなしに、自分のことを語り始める。
自分の所もこないだ祖父が死んだんですよ。おじいちゃんっ子で、かなり可愛がって貰ってたんですけどね。
最後はボケて、施設に入って、自分のことも親父と間違えるようになっちゃって。
その祖父が何度も言ってたんですよ。
『また
40年以上前、昭和の頃に一度来たらしいんですよ。
その時に、誰かと何か、約束していたみたいで。
もう相手も残っちゃいないでしょうけど……
先月、祖父が亡くなって、いくつか整理が済んで。
少し気になって、祖父の追悼のつもりで来てみたんです。
「そりゃ酔狂なこったなぁ。温泉なんてとっくにねぇってのに。
その爺様も、今のこの街を見たらなんと言ってたかねぇ。
でもまあ納得だよ。いまココに来る奴なんて、廃墟のマニアか、廃線のマニアくらいだからね。
お客さんはどっちとも違うなって、気になってたんだ」
老婆はまた笑った。おそらく笑っているのであろうあの表情をした。
南北朝の頃から開かれていたという名湯・
豊富な湯量を誇った温泉はいったいどこに消えたのやら、その後何本穴を掘っても再び湧くことはなかったという。
当時の流行りだった大型ツアー客に合わせて過剰な投資をしていたのも仇となった。客足はピタリと止まり、一気に廃れ、廃業が相次いで。都市部からこの山奥まで繋いでいた私鉄も倒産し、代わりの産業もなく、人々は温泉街を去り。果てに綺麗で走りやすい新道も山一つ向こうに引かれて、もはや通過する者すら居なくなった。今では渓谷沿いに巨大な廃ホテルや廃旅館が立ち並ぶばかりの、悪い意味での有名スポットだ。
こんな所にわざわざ足を運ぶ君が酔狂なら、今でも店を開いている老婆も相当な物好きだろう。似たもの同士かもしれませんね。そう言って君たちは二人で笑った。
【
君は老婆と別れて、あてもなくかつての温泉街を歩き出す。
とりあえず、深い渓谷を見渡せるという鉄橋、昔は名所のひとつだったという
どこを見てもかつての繁栄と、もはやどうしようもない衰退がセットになって鎮座している。
十数階建ての鉄筋コンクリート造りのホテルや大型旅館。昭和の時代にはどれもきっと立派なものだったのだろう。当時は最先端の建物だったのだろう。しかし今では窓も割れ、蔦が這い、看板は色褪せ、入口はベニヤ板が貼られて厳重に封印されている。
大型廃墟の立ち並ぶ街として悪名を知られた
小さな店が立ち並んでいる一画では、シャッターの閉まったままの店の隣に、コンクリートの基礎だけ残る空き地もあったりする。取り潰す余裕のあった店は、ちゃんと立つ鳥跡を濁さずに去ったらしい。逆につまり、それ以外の大多数の廃墟は、そんな余裕すらなく急速に滅びて放棄されたということで。
穏やかな風が温泉街を吹き抜ける。鳥の鳴き声すら聞こえない静寂。かつてのホテルの軒先で、無駄に大きくなって手入れもされていない樹木が小さく葉を鳴らす。
君は首を捻る。本当にこれほどのホテルを埋め尽くすほどの客が、この温泉郷に押し寄せていた時代があったというのか。本当に、バスや電車が大量の旅行客を運んできていたのか。
にわかには信じられない。
君の疑問に応える者は、いない。
[眼鏡をかける]
君はふと、唐突に、懐の中を圧迫する存在感を思い出す。
駅前の土産物屋兼骨董屋兼リサイクルショップで貰ってきた、あの眼鏡ケースだ。
また一瞬、それが光ったような気がした。
なんとはなしに、気まぐれに、あるいは何かに導かれるかのように。
君はケースの蓋を開け、度なしの伊達だという、その
瞬間、色彩の洪水に圧倒される。雑踏のざわめきが耳朶を打つ。
君は目を見開く。顔のすぐ前に色鮮やかな布が揺れていて、思わず一歩下がる。
『
『歓迎! ようこそ
それは
見上げたホテルの窓は割れておらず、壁は純白で輝くようで、もちろん蔦など這っておらず。板で封鎖されていたはずの玄関は大きく開かれて、華やかな色彩のロビーがここからでも見える。
ロビーや玄関前では、多くの人影が行きかっている。それらの人影だけは、背景の鮮やかさに比して、なぜかひどくぼんやりしている。輪郭と、大まかな服の色くらいしか見当がつかず、顔の造形などはまったく分からない。何か大声で言い合っている人もいるが、言葉の意味が掴めない。声もどこかぼんやりしている。
振り返れば通りの反対側には、土産物屋や飲食店が、こちらも色鮮やかに店を開いている。
コンクリートの基礎しかなかったはずの場所には目を引く真っ黄色の店舗が建っており、店先では串に刺した大振りの団子や鮎を炭火で焼いている。香ばしい匂いがこちらにまで漂ってくる。
その隣、シャッターが閉まっていたはずの建物も開いていて、こちらもぼんやりと輪郭しか分からない人影が、どうやら客の呼び込みをしているようだ。売っているのは温泉饅頭だろうか。何かが店頭で蒸し上げられている。似たような曖昧な人影が集団で通りがかって、覗き込んで何やら話をしている。
雑踏のざわめきに混じって、どこか遠くから太鼓の音が聞こえて来る。こちらははっきりと聞き取れる。祭り太鼓だろうか。誰かが練習中なのか、たまに間違えて止まっては、また頭から拍子を刻み始める。
トントンタン、トトトン。トトントトントッ。少しの間を置いて、トントンタン。
何なのだろう、この光景は。
何なのだろう、この音と匂いは。
夢か、幻か、狐か狸にでも化かされたのか。あの不可解な人影は幽霊か何かなのだろうか。
動揺していた君は、だから気づくのが遅れた。同じくぼんやりとした人影が二人、互いに何かを喋りながら、君などそこに居ないかのように歩いてきて、ぶつかりそうになって、直前に気付いた君は慌てて避けようとしてよろけて思わず尻餅をついて、
[眼鏡をはずす]
その拍子にかけていた眼鏡が落ちた。
圧倒的な静けさの、廃墟の街が君の目の前にある。
下手な太鼓の音などどこにもない。鮎と団子が焼かれる匂いもない。
動き回っていた影だけの人々も、綺麗に消え去っている。
手のひらに小さな砂利が食い込む痛みを、今さらながらに感じる。間違いない、『こちら』こそが『現実』だ。
【
[眼鏡をかける]
[眼鏡をはずす]
[眼鏡をかける]
幸い、眼鏡は割れることもなく、ただ落ちて道路に転がっただけで済んだ。
何度か眼鏡を掛けたり外したりして、多少動いて試してみて、君はこの奇妙な現象の『ルール』を大まかに把握する。
眼鏡なしでは、ごく当たり前の『今』の、廃墟の無人の街だけが見える。
眼鏡をかけると、どうやらだいぶ『昔』の
さっきだってわざわざ避けようとする必要はなかったのだ。
あの影は亡霊のようなものなのか、過去の幻影のようなものなのか。あるいは、向こうの人々からすれば、君こそが実体のない幽霊のようなものなのか。
詳しいことは分からないが、君は過去の栄えていた頃の温泉街に干渉することはできないようだった。
眼鏡越しに垣間見た
もう少し年代の分かるモノはないかな、と思って見渡したが、カレンダーや新聞などは手近な所には見つからなかった。後で本格的に探してみるべきだろうか。
なんにせよ、二つの異なる視界が不思議で、また見比べるだけで楽しくて。何故こんなものが見えるのかという謎は一旦棚上げにして、君は頻繁に眼鏡を付け外ししながら景色の違いを楽しむ。
『今』も『昔』もそれは大きな赤い鉄橋である。『今』はいささか錆が浮いていて、見下ろしても寒々しい枯れ谷が見えるばかりだが。
眼鏡越しに見える『昔』の橋は、綺麗でピカピカしていて、渓谷に張り出す木々も『今』よりも遥かに多く、眼下には水量の多い清流が音を立てて流れている。川下りの船などもあるようだ。
亡霊のような人影たちも、連れ立って橋に来ては、渓谷の方に見入っている。それだけの価値のある絶景だ。この時代のこの光景が見られるのなら、なるほど遠方から足を運ぶ人も多かっただろう。表情も分からぬ人影たちと共に、君もしばし失われた大自然を鑑賞する。
「…………
不意に、声が聞こえた。人影の発するくぐもった曖昧な声ではなく、意味をしっかりと聞き取れる声。
君は振り向く。人混みの向こうに、『ぼんやりとしていない』人物がひとり、こちらを見ている。
少女だ。十代半ばくらいの小柄な少女。白と赤の目にも鮮やかな服、あれは巫女の装束だろうか。肩のあたりで切り揃えられたおかっぱ頭で、額の左の方に何か、髪止めか何かが突き出している。
信じられないものを見た、そんな表情を浮かべた少女は、君と目が合っていることに気付くと、身を翻して走り出す。
君も反射的にその背を追って走り出す。幽霊のような人影をかき分けるようにすり抜けながら、橋を渡っていく。
少女が口走った、あの名前。
間違いない。
それは先月亡くなった、君の祖父の名だ。
【
豪華な和風の旅館、『安らぎの宿
昭和どころか大正ロマンといった風情の洋館、『
雰囲気のある喫茶店、『
人影でごった返すそれらの建物の前を、少女は、そして君は駆け抜ける。
遠くで少女が角を曲がる。君も少しの時間差でもって同じ路地に到着する。
そこには石造りの鳥居と、それをくぐって山の上の方にまで伸びる石段とがあった。
いつの間にやら温泉街の反対側の端、山の斜面にある神社の所まで来ていたらしい。建てられている看板には
他に少女が向かう先はない。君は石段を駆け上がる。
息を切らし、数度の休憩を挟みながら、君は数十段の石段の頂点に到達する。
そこにはもうひとつの鳥居が建っている。
色鮮やかな朱塗りの鳥居で、そして鳥居の柱と柱の間に、太い注連縄が三本、ほぼ平行に張られている。頭くらいの高さに一本、胸くらいの高さに一本、腰くらいの高さに一本。
見たことも聞いたこともない方式だ。そしてこれでは鳥居を通れない。その隙間を通れるのは猫か狐か、くらいのものだ。
宗教的な意味の分からない君にも絶大な圧迫感を感じる。迂闊なことをしてはいけないものだと直感する。閉ざされた鳥居の向こうには、静かで掃除の行き届いた神社の境内。さてどうしたものか。
[眼鏡をはずす]
そして気づいた。君は今、眼鏡を掛けている。『昔』が見える状態で、鳥居が閉ざされている。なら、『今』の
ゆっくりと眼鏡を外すと、果たして、君の目の前には朱の色もあちこち剝げ落ちたボロボロの鳥居と、落ち葉の積もった荒れ果てた境内が眼前に広がっている。鳥居を閉ざす注連縄もなく、僅かに片方の柱に縄のようなものの切れ端が結ばれて垂れている。言葉にできないような圧迫感もない。これなら普通に入ることができる。
ふとその前に、なんの気もなしに君は背後を振り返って……そして驚愕する。
眼下には寂れ果てた廃墟の立ち並ぶ温泉街。しかしその手前。
いまさっき駆け上がってきたはずの石段は、その半ばほどで大きく抉るように削られて、土の色を晒す崖になっている。
土砂崩れに巻き込まれでもしたのか、土台の山ごと崩落したのか。なんにせよ、今さっき崩れたようなものではない。気づかずに駆け登れるような道ではない。
君は改めて手の中の眼鏡をまじまじと見つめる。
つい先ほどまで、この眼鏡は、ただ過去の景色を見せるだけのものなのだろう、と思い込んでいた。それだけでも十分過ぎるほどに不思議な道具だと思っていた。
けれども違う。この眼鏡を掛ければ、この眼鏡越しに見た地形の通りに、君は歩いたり走ったりすることができるらしい。
『今』は崩れ去った石段も、『昔』残っていたのなら、登れてしまうらしい。
ということはひょっとして、例えばさっき通り過ぎた
ますます不思議だ。興味深い。
しかし今はそんなことより。
古びた鳥居をくぐる。カビの匂いがかすかに漂う、鬱蒼とした森のような境内に踏み込む。
そして、
[眼鏡をかける]
【
綺麗に掃き清められ、チリひとつない山の上の神社の境内。
周りの木々も『今』の神社と比べて一回り小さく、風通しのよい雰囲気がある。心なしか、柔らかな光に照らされているようにも見える。
清潔で、清廉で、けれど不自然なまでに物が少ない広々とした空間。
そんな聖域と呼んでも差し支えのない空間の、社殿とおぼしき建物の前。どこかふてくされたような、観念したような表情で、さっき見かけたおかっぱ頭の少女が君を待っていた。
「あなたは……
改めて、綺麗な声だった。改めて、綺麗な少女だった。
たぶん、孫です。その
若いころの君の父親と、今の君の姿は、ボケた祖父が勘違いするほどに似通っていた。そして父親と祖父もまた、若い頃の姿は似ていたと聞いている。ならばこの少女がさっき祖父の名を口にしたのも、きっと。
「孫……なるほど、そういうこともあるんでしょうね。じゃあ、
死にました。先月。
君はそう答えながらも、どこか目の前の光景には現実感がないな、と感じている。
元々、あまり期待などせずに来た旅だった。祖父が誰かとしていた約束。痴呆になってなお再訪を夢見ていた土地。既に滅びて久しい温泉地。住人がほとんど残っていないことは下調べの段階で知れていた。出会いがある可能性はほとんどゼロだろうと思っていた。
それでもかすかに君は期待していたのだ。誰か祖父を知る者が残っていないかと。祖父がしたという約束の一端だけでも掴めないかと。君を――あるいは君の父親を?――連れて行かねばならないという、その理由は何だったのかと。
それが、老婆の店先に埋もれていた不思議な眼鏡の導きで、こうして実際に、
少女は少しだけ寂しそうな表情でうつむいた。
静かに髪が揺れて、それで君は今度こそはっきりと理解する。
左の額のあたりから突き出しているのは、髪留めなんかじゃない……指の先ほどしかない長さだが、確かにそれは、彼女の皮膚から直接生えた、角である。
額の右の方にもかすかに髪を押し上げる隆起があるが、左側の角のように尖ったものは見当たらない。
「会ったばかりで申し訳ないのですが……狭間に立つあなたに、お願いがあります。今になって
少女はそして、真剣な表情で君の目を見つめる。
「この地に散らばった『想いのカケラ』を、集めてきて欲しいのです」
想いのカケラ?
「この土地には、いくつもの無念が染みついています。果たされなかった約束、叶わなかった願い、忘れられた思い出……本来は人の流れに乗って流れ去っていくはずの『形なきもの』が、閉ざされた箱の中にいくつも捕らわれて淀んでいます。私がそれを解放できれば良かったのですが、私もまた、『あの日』以来、縛られてしまっている。思うように動けない」
閉ざされた箱。あの廃墟群のことだろうか。
彼女の言う『あの日』とはいつのことだろう。源泉が枯れた地震の日のことか、それとも、まだ君の知らない何か大きなことが起きていたりするのだろうか。
確かに今の君なら入れる場所は多そうだ。この眼鏡を適切に掛けたり外したりして、『今』と『昔』を行き来すれば、あのバリケードを壊すことなくあちこちを見て回ることができる。旧
「いくつかの手がかりは、そこに残された絵馬に刻まれています……どれからでも構いません。あるいはすぐには解放できない想いもあるかもしれません。新たに見つかる想いもあるかもしれません」
彼女の指した方向には、なるほどいくつもの絵馬がかけられている。遠目に見ても、『ずっと二人で一緒に居られますように』とか、『また
これらの中に、下の廃墟に閉じ込められて淀んでいるものがある?
君になら解き放てるものがある?
よく分からないが、こればっかりは実際に動いてみないと分からないものなのだろう。
少し悩んで、君は選択する。
[分かった、やれるだけやってみるよ]
「ありがとうございます! そうだ、申し遅れました、私のことは『キコ』とでも呼んで下さい。
そう言って微笑んだ
鬼哭渓温泉幻想 (きこっけいおんせんファンタズム) 逆塔ボマー @bomber_bookworm
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