老・病・死は、自分の親、そして自分にも、いつか必ず訪れます。作者は、ガンなどの重大疾病に罹患した父を自宅で看取り、認知症の母を自宅で介護しています。様々な葛藤に遭遇しますが、作者はそうした日々を、思い入れやセンチメンタル過多になることなく、簡潔に記しています。誰もがいつか経験することです。とても参考になりました。同時に、作者の筆力と粘り強さに感服しました。
誰にも同じ時間が流れている。幸せな時も不幸な時間も。ここに綴られているのは高齢の両親とのいわば思い出となる部分だが、父親の闘病、さらには母親の痴呆と、けっして明るい話題ではない。それを娘目線で切実に語られている。一人の女性の思いを文面から読み解いて欲しい。
いつかは来る親との別れ。急死されるのもつらいですが、徐々に弱っていく姿を見るのもまたつらいものです。認知症が進行していくのを見るのも。 自分も似たような経験がありましたから、共感しまくりです。若い人にも、「その時」に備えて読んで欲しいです。