第5話 開発秘話
開発をしていた時、どう言うわけか、大学卒業後に入ってきた新人は、何でなのか、私に付けられることが多かったです。
電気関係の設計ともなると、普通科高校を卒要して大学で工学を専攻して隣ると、かなり、ギャップが多いと思います。
基本的に工学を行おうと思ってはいるのでしょうけど、これは、多分、誰もが、ギャップに困るはずです。
それは、小学校、中学校、高校の授業を考えてもらうと分かると思うが、ベースとなるのは、小学校の授業から始まっている。
歴史などは、中学でも高校でも同じ範囲を勉強するのだが、中学より高校の方が、内容が深くなっている。
理科の授業にしても、徐々に深くなっていく。
だが、電気となったら、左手の法則とか、右握りの法則とか、オームの法則とかを知る程度です。
ただ、高校を過ぎて、電子工学を目指そうとすると、電磁気学やら、テレビ技術やら、無線工学やら、デジタル工学やら、わんさか増えてくる。
とんでもなく、覚えることは多い。
しかし、卒業後に会社に入ると、この中のほんの一部だけしか使わないと言うことに気がつきました。
無線機を作る会社なら、無線工学は必要でしょうし、それにデジタル技術も必要になるでしょう。
今時、デジタル化せずに電波に乗せるなんて、あるのか気になる所です。
アナログ系の会社なら、多分、オームの法則以外使わないかもしれません。
それ以外は、既存の電気回路をコピーして、パーツのみを変更する程度となる。
あとは、外観形状に合わせて、部品剪定とアートワークからプリント基板の設計となるでしょう。
トランスの設計だと言っても、入力側の巻数を計算して、出力側の巻数を、入出力の電圧比で計算する。
50/60Hzなら、内部抵抗と鉄心の損失計算で、出力電圧と出力電流から、簡単に巻数も算出できますし、発熱まで計算できます。
高周波のスイッチングトランスも基本は一緒ですけど、表皮効果を頭に入れておかないと、思った以上の発熱が発生してしまう。
アナログについては、ちょっと面倒な部分が出てきますが、今は、便利なICが沢山出てますから、それを使って、取説を読みながら、簡単な計算をするだけです。
ICメーカーの取説は、とても丁寧に作られているので、設計者は一度読んだら、覚えられるほどです。
私は、暇があれば、そんなICの取説をよく読んでました。
知らない物でも、ICの取説を読むとそれなりに作ることが可能でした。
ただ、アナログの場合は、GNDラインの作り方でノイズに弱かったりしました。
その時に気がついたのですけど、GNDラインに流れる部品の電流に目を向けられるようになると、その電気回路の安定度は増すのだと実感させられました。
それと、プリント基板の銅箔には電流が流れます。
銅箔にも抵抗値が有りますから、電流が流れる事で、GNDラインにも電圧降下が発生するので、それによって、それぞれのパーツのGNDに微小電圧差が出るので、誤動作の原因は、大体が、このGNDの電位差によって発生してます。
今は、多層基板を使っているでしょうから、その中にGND専用の層があるでしょうから、誤動作は減ってきているでしょう。
その辺りのノウハウを理解できると、コストダウンにつながると思います。
とりあえず、プリント基板の設計については、流れる電流を意識できれば、サンプルの実験の際に誤動作などに悩まされる事は減るでしょう。
この話については、機会があれば、具体的な例を上げて説明したいと思います。
ただ、需要は、少ないでしょうから、本気で、書こうとは思ってないです。
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