第7話 話は完結しました
「エルメアーナのベアリング開発」は、完結させました。
私としては、この辺りまでが、開発は一番楽しいところだと思っておりました。
仕様を見て、どうやって作るのか、それが、何か今までに使った事が無いICを使う必要が出た時とか、資料を見て回路設計をする時が、とても楽しい時間でした。
ただ、この後、配置設計が終わって実際にサンプルの評価をしていくと、思わぬ所に落とし穴があったりします。
私は、よく、放射する電波に頭を悩まされました。
日本なら、Vcciとか、海外の安全規格にも同じような規格があって、それの範囲にあるかとか、結構苦労した覚えがあります。
安全規格については、ヨーロッパ、北米と日本を中心に覚えました。
英語が苦手なのに、よく、やったと思ってます。
そんな中、仕事で、面白い話を聞いた事がありました。
ISO9000 なんて、聞いた事がある人もいると思いますけど、これは、品質管理基準についても規格なのですけど、今は、開発から出荷までの管理基準になっていると思います。
この規格は、イギリスのBS9000という規格をそのままコピーしたそうです。
そして、この品質管理の安全規格としてBS9000というものができたのは、日本の自動車産業が影響しているという事です。
今でも日本の自動車は、海外でも人気ですけど、以前は、日本の自動車は壊れないので修理が必要としませんでしたが、当時のイギリスの自動車は、日本の自動車に比べたら、故障が多かったそうです。
故障するのは、品質が悪いのだから、品質の管理を上げる必要があると考えたのだそうです。
この故障をしない日本車は、品質規格が高いからなんだとなり、イギリスの規格が、日本の工場を徹底究明して品質管理の基準を作ったそうです。
それが、世界基準となったのだと聞きました。
イギリスが、日本の自動車メーカーの品質管理基準を調査して、品質管理の基準書を作ったら、それが、世界に認められて、世界標準になってしまった。
ISO9000を取得するということは、世界一のメーカーの品質管理基準と同じとなるわけです。
この話は、安全規格の申請代行を行なってくれる会社の社長さんに聞いた話です。
世界一になるなら、ルールがあって、そのルールをしっかりと守るから、信頼を得られるのでしょうね。
以前、所属していた会社の社則を確認した時があったのですが、その社則の量が半端なくありました。
かなり細かな事まで決められていましたが、その量は、六法全書位あるんじゃ無いかと思えるほどでした。
その会社も、5Sに厳しい会社でしたし、確かに利益も出していたし、社長はカリスマと言われてました。
大きくなるなら、5Sもですが、品質にもルールにも厳しいのだと今では思ってます。
それと、犯罪の多かった大都市で、毎日、殺人事件が起こっている都市の市長に検事上がりの人が就任した事がありました。
市民は、検事上がりの市長に殺人事件の減少を望んだそうです。
そして、その検事上がりの市長が取った政策とは、車のクラクションを鳴らすことへの規制と、横断禁止場所での歩行者の横断を徹底的に取り締らせたそうです。
市民としては、市民泣かせのその取り締まりに辟易したそうですが、それが続いて、市民もその違反を行わなくなると、殺人事件の件数も減ったという事でした。
その市長は、検事の時に、殺人事件のきっかけとなる原因を徹底的に調べていたのか、それとも、犯罪者と話をした中から見つけ出したのかは分かりませんが、人の殺人に走る、一番最初のきっかけに着目していたのだと思います。
大きな犯罪を防止するなら、些細なルール違反を徹底的に押さえ込む事から始まるのだと私は、その話から思いました。
ならば、会社なり組織なりも、大きな問題をおこなさいためには、小さなルール違反を取り締まるところから始める必要がある。
そして、それを突き詰めていくと、5Sが一番最初に求められるのだろうと思えたのです。
それは、今、大手のチェーン店で仕事をしてますが、その会社の雑さを見て実感しました。
毎日、材料を置く位置が変わるので、毎日、場所を確認してから仕事に入るのですけど、レギュラー材料が、動いてしまうと、仕事中に何度も確認してしまう。
そして、使った工具は、有った場所戻さない。
ここまで酷いところに居ると、5Sの重要性が理解できるようになりました。
ちなみに、これは、日本の東証一部に上場している会社の話です。
ある業界になると、品質どころか、管理に感情が優先される事もあります。
そうならないための方策も、5Sを行うことと、管理者にルールを守らせることを徹底させる。(管理者自身にも。)
それが、行われない限り、会社の利益は増えないだろうなと、私は思ってます。
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