第4話 開発の裏話 2
これは、開発に詰まっていた時の話なのですが、寝て起きた時、とても良いアイデアが浮かんだのです。
しかも、休みの日にです。
「おお、これは、いい。 明日、会社に行ってから試してみよう。」
そう思って翌日、出社後に前日思いついたアイデアを試そうと思って実験室に行って、さあ、思いついたアイデアを試そうと思ったのです。
しかし、その時のアイデアが、思い出せない。
(うわー、こんな事ってあるのかー。)
本当に、何も思い出せません。
だったら、その時に何か思いついた事も忘れてくれればいいのにと嘆いていました。
そんな事があってから、とある客先の開発者と会う事がありました。
その人は、当時、絶大な人気を得ている玩具メーカーの開発担当者でした。
あの当時には、その玩具を使ったアニメまで出ていた位でしたから、超人気の玩具でした。
そんな人と話ができる機会を得られてラッキーだと思ったのですけど、その人の話を聞いていたら、私と全く同じ事を言ってました。
昼寝をして起きた時に、何だかとても凄いアイデアが浮かんだそうです。
そして、次の日にそのサンプルを作ろうとしたら、その時の記憶が完全に消えていたと言ってました。
その人は、それ以降、メモ帳を持ち歩くようにして、気が付いたことは、メモ書きにして残すようにしたと言ってました。
最初の失敗があってから、それ以降メモ帳を持ち歩く事をした事もあり、誰もが知るような玩具を作る事ができたのかもしれません。
私も、同じような経験を持っていたので、何かに残す事もしましたけど、最近は、思いついたことを、何回か繰り返して考えるようにしてます。
それと、その中で、何か問題が無いか確認するようにしてます。
思いついた内容について、思いついただけだと記憶から消えてしまうことが多いのですが、その内容を何度か頭の中で繰り返すことで、記憶に残るように感じてます。
そういえば、以前に勤めていた会社の社長の話です。
「私の話は、メモを取る必要は無い。」
そう言ってました。
何でなのと思ったのですが、その社長はその理由も言ってました。
「私は、話の内容を一つに絞って話をする。 多くても二つなので、メモを取らなくても大丈夫だ。」
そんな事を言ってました。
この社長は、人に覚えさせる方法を知っているのだと思いました。
確かに、一つの事だけを話してくれたら、その話を何度も話すことになるでしょうが、同じ事をおうむ返しで言うのではなく、別の視点から話してくれるので、大事な事が理解できるし、話を聞いていても飽きる事はない。
カリスマと言われる社長だと思い知らされました。
メモを取らせない方法というのは、その辺りにヒントがあったみたいです。
私のアイデアも、仕事中に閃くこともあります。
そんな際は、メモを取るなんてできないので、仕事中に閃いた事は、何度か繰り返したり、そのアイデアを別の視点からとか、ダメな部分は無いかとか考えるようにしてます。
閃いたアイデアというのは、後から思い出せない事が多いのですが、閃いただけで終わらさず、その閃きを検証したりすると、忘れる事は、少なくなると思います。
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