おっさん文学の金字塔

おっさん詐欺な作品が多い中、本作は主人公がちゃんと「おっさん」している数少ない作品(常に下ネタ、古い作品ネタ満載、実利重視、処世術に長ける、慎重、未亡人の情夫になる等)である。
また、転移前がよくある独身社畜ではなく既婚子持ちの会社員と標準的なのも共感できて良い。

タイトル通り主人公の能力はしょっぱい(ゲームでいうとテンプレ主人公が強くてニューゲームなら本作主人公は予約特典装備所持レベル)が、上手く工夫して立ち回っており、いぶし銀的な立ち回りが楽しめる。

全体的な話の流れは大きく見れば、よくあるゲームみたいな世界でテンプレな展開をする流れだが、リアリティのある設定と主人公の性格のお陰でマンネリ感は感じられない。

もっと評価されてもいいし、書籍化されないのが不思議な作品である。