DON'T PRESS THE BUTTON
ぼくは、また、ボタンの前に戻っていた。
もう一度、ぼくは子鬼に会いたかった。
はじめから、やり直したかった。
今度は、子鬼を岩にしたりはしない。
子鬼と一緒に、篝火の周りで踊るのだ。
ぼくは、再びボタンを押そうとした。
が、
前のボタンはその下に【PRESS THE BUTTON】の表示があったはずだ。
今度のボタンは【DON’T PRESS THE BUTTON】とある。
ならば、このボタンを押しても、やり直すことはできないのだろうか。
押すなというこのボタンを押したら、どうなるのだろう。
なにが、はじまるのだろう。
しかし、ボタンを押さなければ、なにもはじまらない。
子鬼には二度と会えないのだ。
ボタンを押す以外に、ぼくは、ぼくの愛しい子鬼に会う術がない。
ボタンの前で身動きのできないぼくの頭の中で、ケラケラと藁人形が笑っている。
BUTTON(藁人形は笑う) 水玉猫 @mizutamaneko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます