別れ—— And merry meet again

 藁人形が、燃えている。

 篝火かがりびになって燃えながら、ケラケラと笑っている。




 岩になった子鬼の上で篝火を焚き、七日七晩、鬼や少年たちは舞い踊った。

 怪しく美しく、忘我となって舞い狂う彼らを、藁人形の炎が照らし出す。



 

 ほーい。


 少年の一人が舞いながら、ぼくの首を放り投げる。


 ほーい、ほい。


 鬼が受け止め、また投げる。


 ほーい。

 ほーい、ほい。




 炎の上を幾度も飛び越えながら、ぼくは篝火の下の子鬼をあやそうとする。


 ほら、見てごらん。

 藁人形が、燃えているよ。

 笑ってごらん。

 おまえの父の首が、ほら、見えるだろう。


 しかし、岩になった子鬼はぼくに笑いかけてはくれなかった。



 

 ほーい。

 ほーい、ほい。

 ほーい。


 少年の一人が、ぼくの頭を篝火に投げ入れた。

 火柱が天を衝くほど高く上がり、鬼と少年たちの舞いはさらに激しくなった。




 舞いが最高潮に達すると、火柱から鳥が現れ、滝のように火の粉が散った。

 火の粉は舞い狂う鬼と少年たちの上に降り注ぎ、あっという間に焼き尽くした。




 藁人形もぼくの頭も、鬼も少年たちも、全てが灰になった。

 鳥も子鬼も消え、あとには底知れぬ暗闇だけが残った。

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