第6話 一山

腰から行ってしまった後悔もある。それは自分の想定と違う行動を起こしてしまったことによる自己否定と、この子で良いのかという答えを出す前に行動を起こしてしまったこと


しかし、我を忘れてしまうほどの魅力を感じていたことの証明のような気もする。


それでも、焦らずすぐ次へ、次の段階へ進むことよりなるべく引き伸ばしながら次へ進むにしろそうしようと及び腰になってる。

優柔不断な腰だ。


それでも今迄の他に仲の良いめの子を思い浮かべる。未練を断ち切れるのか。もう可能性はないのか。無いと思える道筋をクリアにしようと理詰めしていく。


あの子は、食事まで。それ以上はあり得ない!と思ったじゃないか。あの子はぽっちゃり過ぎだし口が軽そうな気もする。あの子は彼氏と別れればワンチャンあるのでは。


どれも都合いい考えの気がする。

ナイからいまこうしてる。こうしたんだ。

だから何を迷う必要がある?

自分で自分を叱ってみる。


さあ、どうする?どーーするんだ?

そんなにモテるわけ無いだろ

ラストチャンスだろ

このままいっちゃえよ

チャンス逃すなよ

迷ったら相手にも伝わるぞ

いくら口説かず、好感だけを細々と水面下で気のないつもりで進めてきたとはいえ、相手の隙に乗じたとはいえ


そうか、そうかもしれないとも思う

本当に自分の衝動だけだったのか

誘われる見えない行動が彼女にもあったのではと。自分が見えない誘いの人の良さをアピールしてたように。今迄の振られた歴史から、自分にもモテる所があるんだと、ただそう思われたいとしてきた、そう見抜かれないようにしてきたように。


彼女も、あの斜め後ろからの位置に私が居るときに、いい角度だと、そう見えない程度に男の衝動を掻き立てるアクションを何かとっていたのでは。


少しうつむき加減に口元が微笑みの印象

胸がツンとした一瞬の姿勢

尻が少し突き出て存在をましたような

すこし、「ん」と甘い声がしたような


なにか耐えられないモノがあった

それはあった。それが何かと問われれば分からない。

なにも意識してしてきたものは無かったかもしれない。彼女もバツイチ。臆病なにもなってるはず。若しくは自分からは行動も誘惑も出来ないがんじがらめの中にいるけどもの存在かもしれない。


どっちだ?不意に心に浮んだ。

どっちが攻めたんだ?

水面下でひっそりと

相手の欲しい物を提供して見せたんだ

俺だけじゃないのか

彼女にそんな芸当が出来るのか


できたとしたら、どう思う?

拒絶するのか

かえって魅力的と考えるのか


やってしまった

取り返しがつかない

先へ進む勇気か決断かが足りてない


一回押し付けてしまった

柔らかかった

こっちも柔らかさはあったはず


一回

一回

一回か

我を忘れてならホンマに忘れてみるか


一回

一回

もう一回

もう一度誘惑ありか確認してみるか


一回

一回

まだ一回

進めないならそんな答えもあるのか

何回も 確認できるまで

彼女の誘惑の痕跡を確認できるまで


確認出来たら当たりを引いたのか

無ければ自分の意志だからGOなのか

もう一度、様子をみる

心の縁を覗くようでいい答えだ。

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