第7話 再始動
さあ、再び会社で顔を合わせることから始めよう。いつものように、執着も冷たくもなくなにかあったような何もなかったような、でも以前より2センチ距離を縮めるように
2センチ近ければ、とこか以前と違うような微妙な反応を楽しめれる。
ちょっとナンカナ?という戸惑いの表情、なにか話してくれるの?という期待の表情、ちょっと近いんだけど微妙に、という表情
まずはそこから様子を楽しみたい。拒絶されたらショックはあるだろう。
でも準備もある。拒絶されたことも、それに傷付いたことも、もう一度、押し付けてみようと試みていることも。
色即是空、移ろいけりないたずらに、硯に向かいて日暮、都合が良いかもしれないが、恋情の跡形は古文の世界へと去っていく
ならば許される行為を、許される人へと、綺麗事に落ち着かせれるように、万事を八方から誰からもそう思われるように勤しんでいくだけ。勝手を言わず、気遣いと感謝とを押し付けがましくなく、気付かない程度に気遣う程度で、勿論、男に対しても女性へ以上のハイレベルな接し方で。
さて、一旦は2センチ作戦はどうなったかというと、失敗。
どうしたの?というくらいにふつうの反応、何事もなく、いつもどおりに収まった。
どこかそれが、冷たいように驚いてしまった。こちらが、仕掛けたつもりなのにたじろかすこともできず、テンションを上げも下げも出来ずに短い会話で終わってしまった。
勝手な想定と、ちょっと行き違うだけど、戸惑ってしまうのは、心のうちにチクチクを生んで、普通の会話になってる二人
ならば、普通でいこう。それでいい。
まだ迷ってる人もいる。
ここまで書いて、これは物語でなく日記。随筆なのかもしれない。
日々思うことを、してることをただダラダラ書いてしまっている。
暇と虚無とチャレンジと。何をしたらいいか見つけれてない苛立ちの捌け口だ。
今日も仕事に向かう。五十年生きてきてるから、ちょっと体が重い。昔からかもしれないが重い。重さを軽くするために心を軽くするために、ナニカしてるのだろうか。
それを、書き留めたくなったのだろうか
なるべく人の為に生きたい、いや、そうではない。そんなだいそれたことなんて考えてない。ただ時々そうでありたいと思う。生きている価値を実感するために。
では、生きている価値を実感するために、腰を押し付けたのだろうか?それとも生きていると実感してる瞬間だったから、生のほとばしりが性へと飛び抜けたのだろうか
今日も普通の日が始まり、普通の会話が始まり、普通にいい人にもなって、仕事も普通に行って、普通に欲情する瞬間もあって、普通に落ち込むこともあって、普通に一日が終わるのだろうか
それが五十年生きてきた今日のあるべき姿なのだろうか。あるべき姿じゃないから、どこか苛立ってたり後悔や焦燥が心に体に纏わりついてるのだろうか
それを否定したいために、否定してもらいたくて、人に今更褒めてもらいたい、人に好かれたい、言葉だけじゃ物足りない、そして腰の押しつけとなったのだろうか
やはりもう一度確かめたい
仕事中 下山狭深 @fu-taxyz
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