第42話 落選運だけは。
私が下手だからか。
才能がないからかな。
他人からすればどうでもいいようなことで悩んでいた。
高校生向けのコンクールに佳作さえもかすらなかったことに当時は言いようのない悲しみが滲んだものだった。
落選がわかった1ヶ月はずるずると引っ張り周囲を困らせた。
今でも時々愚痴って周囲を困らせている。
それから、17歳のときには語彙も増え、小説らしく多少はなった。
自分でも言うのは何だが小学生のころに書いた小説もどきのものよりかは遥かに良くなっただろう。
そのころに百枚ほどの青春小説と自分なりには闇をモチーフにした80枚ほどの耽美小説? と中学生のころに書いた小説をもとにした時代小説風の90枚ほどの小説を書きあげたが、それも見事に落選してしまった。
落選運だけは強い私である。
今にして思えばたいして推敲してもいないくせに次々と投稿したのが間違いだろう。
高校生向けのコンクールのとき以上に推敲しなければ大型の公募新人賞では一次選考も通過できない。
勝手に自分の拙い才能にうぬぼれて自分は天才なんだなあと興奮して、自己陶酔していたのがそもそもの間違いだった。
若さだけにうぬぼれて10代で衝撃の作家デビューを夢見ていた私は本当に世間知らずだったのだ。
二十歳になった今はそんな若さとは無縁だが。
今、仮にデビューしても今のご時世、珍しいことではないだろう。
逆に二十代のうちにデビューする人の方が純文学では多いかもしれない。
下手だと散々嘆いて自分の文章力に悲観したくせに私は去年に280枚の中編を書き終えた。
(このエッセイを書いたのは筆者が20歳の頃)
今でもあの頃と同じく懲りなく書き続けている。
※17歳の時に書いた小説は『夜もすがら少年独り彼岸花』や『鬼』など。
17歳の時に書いた小説をもとに書いた19歳で仕上げた『赤い涙はさようなら』もmonogaaryで読めます。
20歳で書いた小説は他に、『星の鈴』や『秋の夜長の夢』もそうです。
10代から20歳の頃に若さだけで書いたので、だいぶ拙いと思いますが……。
複雑性PTSDを治す方法 ~EMDRによせて~ ・適応障害・双極性障害・発達障害の当事者として 詩歩子 @hotarubukuro
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