第15話 ダブルワークをとうとう辞める

 私の人生は子どもが保育園に入ってから、ずっとダブルワークでした。


 野菜洗いの工場、幼児教育のお手伝い、不登校の支援、清掃員、レストランのキャスト、工場内作業員、青汁配達員、学研教室の見習い、などとピアノの先生を同時にしていました。

 特に不登校の支援は4年半続けていてピアノの先生よりも自分に合っていると思いましたが、どうしようもない事情により辞める決断をしました。


 実は現在はコンビニで月一度アルバイトをしています。

 月一度というのは棚卸しの時だけの出勤です。


 コロナが流行る前は週2で出ていましたが、無人レジが導入され短時間勤務に変わる時、他の人に出勤日を譲り月1の出勤にしました。

 そのアルバイトをとうとう辞めます。


 物凄い引き留めに(人数が足らないのも手伝って)合いましたが、体力の限界に付き今月の棚卸しで引退させてもらいます。

 朝6時45分に出勤するために5時半起きが辛いのです。

 普通は年を取ると早起きになるのに私は朝が全くダメで日頃は8時半に起きています。


 起きられなかったらどうしようと思うとなかなか寝付けられなくて結局、睡眠不足で出勤することになります。

 パートを終えて12時に帰って来て昼食を食べると眠気に襲われどうしても2時間寝てしまいます。

 そこから起きて急いでピアノの先生ぽい服に着替え、掃除機かけ、トイレ掃除、整理整頓をして台所の目隠しスクリーンを下ろして準備完了です。


 直ぐにレッスンが始まります。

 人数の少ない日は余裕があるのですが、曜日によっては19時までレッスンが詰まっている時もあり、ピアノの練習はほぼ出来ないです。


 企業内のコンビニなので普通のコンビニのように面倒な作業はなく楽なのだろうと思います。

(企業内ならではの面倒な作業もわりとありますけど。)


 職場の皆さんとても良い方で安心して仕事ができるので残念と言えば残念なのですが、引き際ってあると思います。

 私にとって最後のダブルワークのパートになります。

 本当に寂しいです。

 職場の皆さんは私を含め6人。


「居てくれるだけでいいから、年に一回出勤でもいいから、朝9時出勤でもいいから辞めないで!」


 と言ってくれるのですが、結局、職場で誰かが病気になったりしたら私は無理して代わりに出勤してしまいます。

 そして、隔週で日曜日も講師の仕事をしていること、四時間の練習時間を確保したいこと、を説明しているのですがピンと来ないのでしょう。


 ひと月に1日くらい、1日のうちの5時間くらいと思われているのかもしれません。

 皆さんお若いからでしょうか、最高齢のバーバラは手術後に体力が無くなったと言っても「バーバラさん大丈夫、めっちゃ若いから!」とか言われてスルーされている感じです。

 次の日にも疲れが残りピアノの練習にも指導にも眠くて影響が出ます。

 辞めないと自分で自分の首を絞めてしまうのです。


 人生最後のパート。

 

 本心では、まだ頑張れるかもと揺れていますが、3月31日の棚卸で終わりに決めました。


 みんな、ごめんね‥。


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