第7話 こんなに態度が悪くても良いのですか?
時々、男の子のお母さんから聞かれます。
こんなに人の話を聞けなくてちゃんとやらないのに習いに来ていいんですか?
そんな時に役立つのがK君の話です。
特にK君のレッスンの前後にたまたま別のお子さんの振替レッスンが入ったりすると
「あ、あのピアノがすごい子だ!」と思われるのですが、K君のお母さんも私も文句ばっかり言っているので
「あれ?」って感じでみんな引きます。
とにかく、「こんにちは!」とやって来ると同時に何かが始まります。
「触らなーい!」の私の注意から始まり
「寒いからもふもふの上着は脱がないでレッスンを受けるからね。」
手が出てないからだめです。
「これ貸してください!」
今来たばっかりで何言ってんの!
「今日はどれも合格にしないでね。」
弾く前に約束できません。
「ちょっとウンコ行ってくる!」
はい‥どうぞ。
みたいなお子さんで普通と思っていただいて大丈夫です。とお答えしています。
過去には寝転がって弾かないと言い張り、今日はレッスンしないと言っても帰らないという子がいました。
その子は五年生でブルグミュラーのアラベスクを発表会で弾いて満足してやめていきました。アラベスクだけは忘れないでしょう。
K君のお母さんに
「うちの子よそのピアノ教室では無理だった気がします。うちの子みたいに才能のない子をコンクールで最上位を取らせてもらえるなんて夢みたいです。」
と言われました。
ちょっと申し訳ないけれどどちらも否定出来ないです‥。
K君が才能ないと気が付いているお母さんもすごいなぁと思います。
でも実は表現力という才能はすごくあるのです。別の才能の無さを努力で(無理矢理ともいう)補っているのでK君の頑張りには本当にいつも感動しています。
実はK君の才能のない部分と私の才能がない部分が見事に同じなので、どうやって補うかが私に分かりやすく指導しやすいのですよ。
運命ですかね。
ホントK君が好きですよ。
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