リアル白の巨塔をご経験された団塊世代のお医者様として活躍され、
第一線を退かれても、やはりお医者様はお医者様、
携わってこられた数々の患者さんとのやり取りや、
豊富なご経験から発せられるウィットに富んだ短歌と川柳。
軽妙な語彙から繰り出される、お茶目な日常風景から
ぐっさりと突き刺さる時事ネタと風刺、
とにかく詠まれる幅が広い! 量が凄い!
逆立ちしたって敵いません(※そもそも、勝負ではない)
老いだ余生だと仰っておられますが、
作品の端々から滲み出る充足感に、拝読するこちらがほっこりと温かな気持ちになります。
気取らず飾らず、飄々と、だけど中心にぶっとい一本筋が通ってる
見習いたいし、目指したい姿です。
(勝手に心の師匠と呼んでます)
「老いの繰り言」 スマホのことわざ辞典では 「老人が、言っても益のない愚痴をくどくどと繰り返して言うこと」と解説されています。
しかし、医師脳先生のこのタイトルに対しては、この解説には少々異議あり!と言いたいところです。
愚痴だとか、言っても益のない、というところに、ひっかかりを感じるからです。
だって益がないどころか大いに有りなのですから。
老人の私にはとても有意義で教えられることがいっぱいです。
介護されている人には参考になりますし、若い人だっていつか訪れる「老いた自分」の為に、先生の長いキャリアから得た、沢山の高い知識と経験からの豊富なお話を、いっぱい聞かせて頂いたら、きっと益となるに違いありません。