この地下牢から、脱出して

孤児院で暮らすある子供は、同じ施設内の子達から疎外され続けてきた。そして犯してもいない罪をなすりつけられ､その度に施設の大人達から減点され､罰を受ける日々を送っていた。ここでは、点数が高いほど良いことがあり、減点されればされるほど罰を受けるのだ。そんな時、その子供はあるゲームのことを知る。ゲームの名は“ダンジョン・ナル”。
　子供は、今の自分を取り巻く環境を嫌っていた。だからその日、子供は学校帰りに寄り道をした。ゲームも、寄り道も、子供を救うために、または更なる絶望を与えるためにセッテイされたものだったのか……。そんなことも知らずに、子供は寄り道として公園に入ってゆく。誰かが、僕のことを攫っていってくれないかという、淡い希望と共に。