解説

 初めまして、平葉ひらば与雨ようと申します。『18とたんぽぽ』を読んでいただきありがとうございます。まだ読まれていない方は解説を見る前に第1話から読んでいただけると幸いです。


 超短編ではありますが、初めての小説になります。平葉与雨という人間がどういう考えを持っていたか。それをお伝えします。

 ただ、人によって感じ方はそれぞれなので、これから投稿されるであろう小説を読むときの参考にしていただければと思います。

 ※短編に限る。連載系になったら話が変わります(笑)


 ではここから解説を始めますので、まだ本編を読んでいない方はくれぐれも見ないようお願いいたします(笑)

 本編よりも長いので、ゆっくりご覧ください。


 まずはタイトルから。「18」ですが、誰もが学校に通っているわけではないので、年齢だけの表記にしました。紹介のところでは高校3年生としてありますが、本編で学校に行くシーンはありません。少しは対象範囲が広がるかと(笑)

 次に節タイトルですが、登場するのが主人公とたんぽぽのみなので、二文字で表現しました。第1話「悩み」は、主人公だけなので漢字とひらがな。第2話「叫ビ」は、主人公と“タンポポ”が出るので漢字とカタカナ。第3話「たび」も、主人公と“タンポポ”が登場しますが、主人公自身の気持ちの変化と“タンポポ”に対する気持ちの変化を表すためにひらがなで表記しました。


 ここから本編に入っていきます。数が多いので箇条書きのように簡単に書いていきます。

 まず第1話「悩み」から。

【台風3号】

 三話構成だからです。安易ですね(笑)

 一応6月だからというのもあります。


【靴下の替え】

 後に出てくるタンポポが足元に生えているという暗示です。


【6時3分】

 これは6×3=18で主人公の年齢になります。


【数ミリ先】

 これは窓ガラスの厚さのことですが、人間の一生に対して、進学するか就職するか悩む時間は数ミリくらい短いだろうという皮肉でもあります。


【現実逃避をしている】

 やらなきゃいけないことがあるのに他のことをしてしまう時ありますよね?

 ここでは進路を決められずに悩んではいるものの、まだ大丈夫という謎の安心から、たまに友達と遊んだり家でゲームしたりしてしまう=考えることをやめているという状態をイメージしました。


【6時21分】

 18分経ってます。先ほどと同じく年齢の暗示です。この後に出てくる2、3分というのは、18年があっという間に感じるということでもあります。


【悩みの谷】

 考えれば考えるほど深みにハマってしまうことありますよね? 一度ハマったら抜け出すのも難しいです。

 それを、登るのが難しい谷で表現しました。

 ちなみに滑落は、必死に止めようと思えば止められるが、その気が無かったことをイメージさせるためです。


【ゴロゴロゴロ・・・】

 ここは雷の音ですが主人公が寝転んでいるのをイメージさせるためでもあります。冒頭の「家でごろごろしよう」もここにかかっています。


【そばに猫がいるように感じさせる】

 猫を飼っている方は分かると思いますが、ゴロゴロ言いますよね? またかかってます(笑)

 雷に対して恐怖心を抱くのが普通ですが、眠りに落ちそうな主人公は心地良いと感じています。それほど猫の力はすごいのです。猫の手を借りたくなるのも分かります。意味違いますけど(笑)


 1話はこんな感じです。少し休憩してから下に進んでください。


 次に第2話「叫ビ」です。

【ここにいればひとまず安心だ】

 雨を凌げるからというわけではありません。東屋の屋根に当たる雨が頭の中で響くことで、考える隙がなくなり現実逃避ができるからという意味です。光から逃げてきたわけですが、戻ればまた見ることになります。それが分かっているからこそ、ひとまずなのです。

 少しの時間でも現実逃避をしたい気持ちが出ています。


【部屋にはいられなくなった】

 部屋を教室に例えています。進路を決めた人たちが放ってる光、眩しいですね。狭い教室にいると焦りで押しつぶされそうになります。外にいても光は見えますが、視界に入り続けるよりはマシです。

 ちなみに自分は指定校推薦で進学したので、さほど焦りはなかったです(笑)


【視線を感じる】

 視線を感じると思ったらポスターだった的な要素です。思い込みですね。ただ、タンポポから視線を感じたのは、タンポポの生きたいという強い気持ちを、叫びとして感じたからという意味合いでもあります。ここは、思い込みが時にすごい力を持つことを表現したものです。良い時もあれば悪い時もありますね。

 人間の脳は奥が深いです。


【心の中で叫んだ】

 タンポポから返事がないことで叫んだように思えますが、その場合は声を出して叫びます。ここは、声を出せないタンポポがどういう気持ちなのかを知ろうとした場面になります。相当なストレスと虚しさを感じたことでしょう。声に出すことがいかに重要なのかが分かります。自分の中だけで溜め込んではダメです。


 2話は以上になります。あと少しです。ぜひ最後までお付き合いください。


 最後に第3話「たび」です。

【飛来物に注意】

 主人公がタンポポのことを気にかけている状態でこの発言を聞いたことで外に出ることになります。後にタンポポが飛ぶことを暗示しています。


【今だ!】

 ここはタンポポが喋ったように聞こえた場面。風が吹いていたことによる空耳ですが、それだけではありません。タンポポの気持ちを知ろうとした結果、風が来ることを感じ、飛び立つなら今だ! という気持ちを主人公自身が感じた場面でもあります。言い換えれば、変わるなら今だ! という感じです。


【たんぽぽ】

 ずっと“タンポポ”でしたが最後は“たんぽぽ”に変わっています。そもそも興味が無かったため、無機質で硬いイメージしか持たなかった主人公が、人生観を変えられたことにより、たんぽぽに対する感情がやわらかいものになったということです。



 以上になります。あくまで自分の考えを述べただけですので、皆さんが読んだ時に感じたことはそのままで大丈夫です。人によって感じ方はそれぞれなので。

 ここまでお読みいただきありがとうございます。またご縁がありましたらよろしくお願いします。

                                平葉与雨

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18とたんぽぽ 平葉与雨 @hiraba_you

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