平葉与雨

お題フェス11『卵』参加作品。

静けさを感じる度に、ふと思う。

小学生の頃、家族で出掛けた先で迷子になり、ある事件の被害者になった私。 無意識に記憶のトリガーになる本屋を避けていたようだった。 避けていたはずのその場所に向かったら、当時の記憶…

デフォルトの声紋は、「ステータス・オープン」と設定されています。 声紋は８字以上、２０字以内で変更可。ただし公序良俗に反する用語は登録不可。 ※本名が「フリン」のような同音異義語…

今思えば、あれは遅ればせながらの『初恋』だったんだろう。 山田太郎は社畜の如く働く会社員だ。 激務を続けていた或る日、意識を喪った太郎が目覚めるとそこには見たこともない景色が広が…

これは、小生さんこと、文谷修蔵の、飯うま日記である。

小学四年生のとき、「ぼくにもできそう」と思って作った料理が、世界と繋がる最初の手がかりだった。夜の仕事をしていた母は不器用で、固くて噛み切れないステーキばかり作ったけれど、ぼくの…

環姫「あームカつくムカつく！あんた私の彼氏になりなさいよ」御影「僕が？」存在感のないモブ男子の碓井御影は、学園のプリンセス・月城環姫にとある理由で偽装交際を迫られる。 ところが、…

夢を叶えるために今の仕事を辞め、東京を離れて仕事をしたいのだという彼女――。 「私たち、もうダメかもしれない」は「行かないで」と引き留めて欲しい気持ちの表れだったのかもしれない。…

あたしは探していた。あたしの歌を聴いてくれるものを。そしてあたしは見つけた。あたしの歌を聴いてくれるものを。

　鹿児島県種子島に半年間だけ住んでいた主人公早坂満（はやさかみつる）。 　そんな彼の元に届いたのは、小学校の同期会開催を知らせる往復ハガキ。アパートに押しかけてきた旧友のマサトは…

「デンプン買ってきて」 おばあちゃんに頼まれて、かなこはコンビニへと赴く。 デンプンとはなにか？恥ずかしい思いと白い粉を抱えて、かなこはレジへと進む。

パプリカと話して、僕も彼の様になりたいと思いました。

好きの数だけ、強くなる。 仕事が上手くいかず鬱々として電車に乗り込む『俺』。空いた車内のシートに腰を下ろすと、ふと目の前に楽しそうに会話する女子高生たちがいることに気付く。そんな…

　私は、とある宗教団体の『教祖』である。本物の霊能力を持った立派な人物。 　そんな私は、少しでも世の中を良くしようと『ありがたや霊水』という名の商品を販売し始めた。これを飲めば…

そのほのかな甘さは、優しさで。 三十歳になった夜、仕事で失敗した僕は一人居酒屋でやけ酒をしていた。 そんな僕に話しかけてきたのは、緑色の髪の女性で……。 1,000字ちょびっと、…

ダークサンの新入り魔族コルテーゼ。 彼女がまだ人間だった頃、そばにはいつも彼女が居てくれた。 ※この作品は小説家になろう、ネオページでも公開しています

30年男だった私は、女として生きたいと願った。だが息子は泣きながら言う。「ママにならないで」。蝉の声が焦げる夏、壊れた家族の中で、私は母にもなれず、父にもなりきれず、薄紫の空へ消…

――長い冬が続いても、命芽吹く春がいつかは訪れるように。 大学受験に失敗した少年 中野凌牙は入学した大学で中村綾芽と名乗る少女と出逢った。 「――あ。名前似てるね、私たち」 ふと…

人類が滅亡する、という予言を思い思いに受け取る、女子高生の小さなお話しです。

生活音に悩まされる在宅デザイナー・湊は、ストレス音をAIが排除するというイヤホン『Q.O.L.』を手にする。音のない世界で心の平穏を得たかに見えたが、やがてその静寂は人の声すら遮…

首の話。

既に私こそ、毒に侵されていたのでしょう。 事務員として働く紅子には、榎木という恋人がいる。彼との泊まりがけの旅行に胸を躍らせる紅子だったが、彼女には秘密があって……。 梅雨の時期…

多分、「こんなの短歌じゃない」とお叱りのコメントを多く頂いてしまうかもしれません。 そんな「短歌」です。

蒸気と魔法が混在する世界。 資産家の老人が、内側から施錠された書斎で胸を刺され殺害された。現場から凶器は消え、残されていたのは、主人に仕える美しい少女型オートマタ「リリィ」だけ。…

＊この作品は以前別名義で出して、取り下げた作品の加筆修正です。 ＊＊＊＊ 異能の旅人を襲ったばかりに……繰り返される、因果からふたりは抜けられるのか？ 題名は……なんか、渋…

かの世界一有名な探偵がこんなことを言っていた気がする。考えるな感じろワトソン君。

「残日」 ・沈もうとしている太陽 ・残りの日数

たぶん今よりも少し先の未来の話。 ある街のベーカリーにて

雨上がりのバス停で再会したふたりの少女。すれ違いとほんの少しの勇気が、止まっていた時間を静かに動かし始める。

夏のある日である。子の父親がソーダというものを譲り受けたそうだ。 小さき泡を自ずと立てる液体は見ているだけでも興が乗るものであった。 見るもよし、飲むもよし、香りを楽しむもよし…

ミッシ・ツーは、神様の力を借りて、完璧な密室殺人を実行する。トリックを見破ることは不可能。だが、名探偵のタン・テーはミッシ・ツーを推理で追い詰めていく。

　――死神アンケート。 　突如SNS上に現れたそれが、人間の生き死にを左右する。 　混沌に陥いる社会。毎週日曜正午、そこに書かれる文字に人々が踊らされることになる。 　そんな…

　宇卒鬼（うそつき）村。それは、世界一有名な『因習村』だ。 　『ホラシロ様』と呼ばれる神様をまつった祠があり、俺たちは生まれてからずっと「嘘」しかつけない体質を抱えて過ごしてきた…

あやかしに関する事件を解決します。そんな触れ込みでヒノモトの国を行き来する男が居た。シラカミはその名の通り白い髪で人々からは奇異の目で見られる。そんな彼が新たな事件を解決するため…

才能への絶望から三度目の梅雨を部屋に引きこもる澪。ある雨の日、澪はガラス瓶の中の紫陽花から、不可思議な「聲」を聴く。

そう、今日こそ僕は生まれ変わる。 モブキャラ生活を脱して高校デビューを叶えるため、一瀬拓也は軽音楽部の部室に足を踏み入れる。しかし、体験入部も早々に同級生たちが揉め始め、なす術な…

市内で発生した殺人事件。 刑事の中里と吉島は捜査を開始するが、現場には奇妙な指紋が残されていた。

よく視える女の子の一人語り

小さな頃に見たダンス動画。その輝きが、すべての始まりだった。 憧れのアイドル、トップアイドルグループ「シャイニークラウン」のレギュラーメンバー「藤代澄怜」に一歩でも近づきたくて、…

【第２２回 ＭＦ文庫Ｊ新人賞　二次選考突破作品】※審査済み 魔王討伐から、すでに二十五年―― 訪れたのは平和ではなく、人間同士による戦乱の世だった かつて勇者パーティの重装騎…

古き城の奥には、かつての女王と王配によって封印された、『鏡の間』が存在する。 その存在は長く知られていなかったが、一人の少女がその扉を開いた日――私の時間は、動き始めた。 ※エ…