大人になりたい僕の我儘をひとつ聞いてくれ

体験談を書いているような感じ。
さらりと書かれていてわかりやすく読みやすい。

触覚や視覚で描かれている。
だけど、鼻孔をくすぐるコーヒーやザラメ等の甘ったるい匂いが書かれていない。
豆を挽いたものは粒子が細かく、匂いがついて取れにくい。
なので、喫茶店の店内、入口前からコーヒーの独特な香りがするはず。
アップルパイには
「バターの風味が強く」
「シナモンが丁度よく風味付けがしてあって最高」
と表現がされている。
主人公は、コーヒーよりもアップルパイに関心がむいているのだろう。
甘い物好きな子供の口だからコーヒーの苦味は苦手を表現しているかもしれない。

喫茶店に通いはじめて、まだ数回なのかもしれない。

主人公は『A.コーヒーとアップルパイを二つずつ。』と書く。
好きなものを、好きな人といっしょに味わい、美味しさを共有したいのだろう。
わかる。
わかるんだけれとも。
野暮だけど、わかり易い言葉で「好きだ」「愛してる」の方が伝わる。
そういったもろもろも含めて、一つずつ体験していくことで大人になっていく。
主人公にとって、喫茶店はまさに大人への入り口なのだ。

これからもっと、いろんな経験をしていくのかもしれない。