Masion de l'Ange ~花天使たちの恋~

蒼空

第一話 出会い


「うわっ化け物!」

庭でみんなと遊んでると柵の向こうから声がする。

「こらっ!あっちいきな、シッシッ。」」

ママが追い払う。

「…化け物、私達嫌われてるんだね。」

「リリィ…そんなの気にしないでいいわよ、ママは貴方達が好きよ。」

落ち込む私をママがそっと抱きしめてくれる。

「みんなもこっちおいで。」

ママがみんなを集める。

「みんなほかの人とはちょっと違うけどみんなママにとっては大事な子よ、ほかの人の言うことは気にしないで。」

優しい声で言うママの顔の鉱石が日差しを浴びて輝く。

「ママ…ありがとう。」

ポッ

ママの愛を感じ私の手に花が咲く。

そう私は花咲き病を患ってる、ママは鉱石病…そうここは奇病の子供達専門の孤児院〝メゾン ドゥ ランジュ”。

鉱石病の彼女は施設長だけどみんなママって呼んで慕ってる。

今ここに住んでるのは私とママを含めて五人。

いつもママの後をついてってる黒髪ロングの三歳ぐらいの天使病の女の子〝アリル″、小麦色の肌に銀髪の元気っ子〝ジョン″彼は殺人病患ってる。

最後の一人は私の双子の弟〝リアン″私と同じく花咲き病。


田舎の町はずれにあるこの孤児院でみんな仲良く暮らしていたある日新しい子がやってきた。

「みんな新しい子が来たわよ。」

食堂で仲良くお昼を食べてる私たちにママが声をかける。

「おいで。」

ママが廊下に向かって手招きをする。

廊下から入ってきたのは海のような真っ青な髪が肩ほどの長さで頬に薔薇が咲いてる私と同じぐらいの男の子。

「自己紹介してくれるかしら?」

「はい。セージ15歳です、薔薇病患ってしまってここに来ました。」

私と同じ15歳なんだ…仲良くなれるといいな…彼を見つめながら心の内で思う。

するとバチっと彼と目が合う。

「みんな仲良くしてね。」

そういうとママは食堂を後にした…残された私たちは引き続きご飯を食べる。

「セージくんこっちおいでよ。」

弟のリアンが彼を呼ぶ。

「うん。」

セージ君が歩み寄り私の隣に腰を下ろす。

「よろしくね。」

私に向かって笑顔で言う彼、その時右手首に紫色のライラックが咲いた。

紫のライラックの花言葉は「恋の芽生え」。

花言葉を知る私は花を見て赤面する。

「新入りの為に自己紹介でもしようぜ!」

ジョンが提案する。

「そうだね。」

リアンが頷く。

「じゃあ俺から!俺はジョン13歳、殺人病ってやつだ。」

ハツラツと名乗る。

「次は僕、僕リアン。次お姉ちゃんだよ。」

「私はリリィ15歳、リアンは双子の弟で二人とも花咲き病なの…よろしくね。」

「次はアリルの番だけど自分で言えるか?」

ジョンがアリルに優しく問う。

「うん…言える。」

ウサギのぬいぐるみを抱きながら小さい声で答える。

「あたしアリル、三歳…よろしく。」

小さい声ながらも名乗るアリル。

アリルの背中には小さな羽が生えてる…天使病特有の羽が。

まだ三歳だから羽もまだ小さい。

「アリルよく言えたね。」

頭を優しくなでる私。

「みんなよろしくね。」

セージが笑う。


自己紹介を終え談笑しながらお昼を食べ終え庭に出る。

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