これからの展開に期待

タイトル通り。

全編を通して、複数の第三者視点も交えて読者に状況を伝えようとしている点が面白かった。当然それによって、すでに起きた出来事の振り返りもあるが、冗長にならない程度に収まっている。
序盤は主人公のあっさり成長する姿が書かれているが、第三者視点のおかげもあり、よくある過度すぎて「オレサマつよつよ」的な寒い表現がないことがポイント高い。（これが普通で当たり前だよという意見もあるだろうが・・・いかんせんそういうものがありふれてしまって基準点が下がっているのでね）
中盤からはヒロイン達との絡み合いを含めた出来事がメインに書かれていて、多くのヒロインがいるためその度に親愛を深めるイベントがあるので、仕方ない事とは言え、多少だれてテンポが悪いと感じさせられる。
また、マイナス評価として、中盤からは徐々に、終盤に向かうにつれて多くなっているのが、結論ありきの展開である。本小説のジャンル（ゲーム世界に転生）的にそうなってしまうのも頷けなくもないかな？と感じるので、人それぞれかもしれない。
細かい点としては、多分作者の脳内にはしっかりとストーリーや設定がなされていると思われるが、読者（私の個人的な）視点からはん～？となる場所がいくつかあった。（描写不足）

総評としては面白く、荒削りでありながらも、纏まった作品とも言える・・・と思う。主人公含め、苦労の末に成長していく描写がもっともっとあればと思う事があるが、先の展開的が気になるという気分にはさせてくれるので、手に取って読んでみてはいかがでしょうか？