多量で多様な作風

作品の大洪水状態といのは、なにもカクヨムの中だけの話ではなく、音楽・動画・ゲームなどでも同様にあり、そういう環境で私達は何かを選んで享受している。今作で感じた驚きはひとつの物語のなかで、視点変更というスタイルにより所謂、異世界ファンタジーの要素を全部載せしてしまうという贅沢な手法を可能にしてしまったことだ。

主人公は、前世のエロゲーの知識を引き継いだ転生者であるが、エロゲー内に登場したもうひとりの主人公や王女、魔法使い、獣人、女剣士、貧民、姉、婚約者、などなどが全て一人称で物語の中心人物かのように登場するのである。
主人公リュークは何故か強大な魔力を持って、前世のゲーム内での失敗を現実の異世界で繰り返さないよう自己の成長を促進させるよう仕掛けを施す。
魔法によって睡眠中に体力を付けたり、美容術を駆使して清潔なハンサムに成長するよう地道な努力を積んでいるように読み取れた。

15歳からは学園パートに入り、主人公入れ替えリレーパートは学園内で回ることになる。わたしも青春一人称ひとり語りは大好物なので、同じイベントでもキャラと生い立ちを変えて読むのは面白い。

ただまったく個人的な理由によりエロゲーと魔物の予備知識がないため、魔物(スライム)と戦っている絵がよく分からないのが悔しい。触手があるスライムは多分当たり前なので描写がないのだろうか。エロゲーって選択肢から進めるだけだと思っていたがバトルやレベルアップもするものなのか、調べてみようにもエロゲーってどこで売っているのかもよく分からないのです。





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