第211話 ニセモノ

-数十分後

@サーキット 表彰台


『え、え〜……今大会優勝は30号車、フェアウェルバージン号!』


「「 イエェェェェイッ!! 」」


『そ、それから……最多撃破も30号車、ドラゴンスレイヤー賞受賞』


「「 フ───ッ↑↑ 」」


『さ、さらに……唯一の生存車となりましたので、ローンサバイバー賞も受賞』


「「 ヒャッハ────ッッ!! 」」


『また、バーディング史上初の全賞制覇となります! グランドスラム達成ですッ!』


「「 ウリィィィィ────ッ!! 」」


 表彰台に登った俺達は、ハイテンションで喜びを表現する。キエルもノリノリだ。この装備の見た目と、このテンションなら正体は隠せている事間違い無しだろう。

 羞恥心も、この謎ヘルメットが守ってくれているので、慣れてしまえばどうという事はない。

 司会の者達や、運営の人間達は気味悪がって引いているが、好都合だろう。


 そんな風にキエルとはしゃぎ回っていると、例の禿頭のデブが、頭の血管をビキビキに浮き上がらせながら、笑顔で俺たちに近づいて来た。その手にはトロフィーの様な物が握られており、それを握る手も力が入っているのかミシミシと音が聞こえてくる。


「全賞制覇、おめでとう! 君たちの勇姿を讃え、このトロフィーを贈呈しよう!」

「ヒャア、やったぜッ!! 早く寄越せよ、このハゲ!」

「ぬぐぐ……き、貴公の名は何という? 初のグランドスラマーの名を、皆の記憶に刻もうではないか!!」

「ん? おいキエル、待────」

「俺様の名は、キエル・ローレン! グランドスラマーのキエル様だッ!! 覚えとけよッ!!」


『『『『 おおおおおッ!! 』』』』

『『『『 キエル! キエル! キエル! キエル! 』』』』


「ああクソ……」


 俺たちは、参加時に名前を書いていない。車両名だけで参加できるのだ、色々と面倒だし、名前は隠しておくほうがいい。レイネから借りた武器の件もあるので、なおさらだ。

 少し考えれば分かると思うが、浮かれたキエルは堂々と本名を名乗ってしまった。今や会場はキエルコールで盛り上がり、その名はドラゴンズネストに轟いてしまうだろう……。

 そのことに頭を抱えていると、その流れで俺にもお声がかかる。


「最多キルのドラゴンスレイヤー賞、唯一の生存車のローンサバイバー賞、そして一着の優勝! 文句なしのグランドスラム! その栄誉に貢献した相棒、貴公の名は何という? この場に轟かせようではないか!?」

「……タリクだ」

「ん、んん!? なんだって?」

「よぉく、聞けッ! 俺様は破壊と虐殺と女が大好き、タリク・ファラーヘル様だッ!!」


『ざわざわ……』

『お、おい、タリク・ファラーヘルって……』

『砂漠の賢狼だよな?』

『どういう事だ?』


「は、はぁ!? お、おい貴様、ふざけるでない! 貴様の名は何だと聞いているんだ!」

「何ィ!?」


 俺は、開会式の時に聞こえた名前を適当に名乗る。確か、ウェルタウンの大物だったか?

案の定、ふざけるなと怒られるが、それはこちらの台詞だ。

 世界は広いのだ。同じ名前の人間がいるというのは、何も不思議な事ではない。たまたま俺が、ウェルタウンの有力者と同じ名前だっただけの話だ。


 にも関わらず、コイツは人の名前を聞いておいて、ふざけるなだと? なんて失礼な奴だろうか! 全く、不愉快極まる。これは、ちゃんと意思表明すべきだな。


「おいコラこのハゲッ!! もう一度言うぞ、俺様は破壊と虐殺と女が大好き、タリク・ファラーヘル様だッ!! 分かったか!?」

「だ、だから────」


──スチャッ!


 俺は、腰に下げていたソードオフの水平二連式ショットガンを抜くと、市長の眼前で構えて、市長の額に突きつける。そして、全身に力を込めて筋肉を隆起させ、ヘルメット越しに睨みをきかせ、圧という圧をかける。

 ちなみにこのショットガン、このヒャッハー装備に付属していた物だ。よく分からないが、これが正装らしい。ローザのセンスは分からないな……。


「ひいっ!?」

「あ、アニキ!? 何して────」

「キエル、いいから黙っとけ!」

「き、貴様一体何のつもりだ!? おい警備兵! 早くコイツを────」

「おおっと、変な事するとそのハゲ頭吹っ飛ばすぞ!?」


 俺の突然の奇行に、警備兵や係員が集まってくるが、市長が人質に取られている形となっているので、動く事はできないようだ。


「おいハゲ、俺の名を言ってみろ!!」

「なんだと!?」

「チッ、分かってないな……おい、そこのお前!」

「わ、私に何かご用ですか!?」

「俺の名を言ってみろ!」

「た、タリク様です! タリク・ファラーヘル様です!!」

「お前、よく覚えてくれたな」


 俺は市長の側で怯えていた係員に対して、自分の名を問う。そして無事に回答頂けたところで、再び圧をかけて市長を睨みつける。


「おいハゲ、もう一度だけチャンスをやろう! 俺の名を言ってみろ!! 部下はちゃんと言えたぞ?」

「た、タリク……ファラーヘル……ぶへっ!?」

「ああん!? “様”が抜けてるだろうがッ!! 俺様は、タリク・ファラーヘル様だ! 破壊と虐殺と女が大好き、タリク・ファラーヘル様だッ!! 分かったら、さっさと表彰しやがれこのボケがぁッ!!」

「た、タリク・ファラーヘル様に……盛大な拍手をッ!!」

「ヒャッハァァァッ!! これでテメェの非礼は帳消しにしてやるッ!」

「ぶべへッ!?」


『『『 おおおおッ!! 』』』

『なんだなんだ!?』

『良くわからねぇが、市長の事ぶっ飛ばしたぞ!?』

『ザマァないぜ!』

『ヒュー! ヒュー!』

『『『 パチパチパチ! 』』』


 俺は銃身で市長を思いっきり殴り倒すと、会場は再び熱狂に包まれる。どうも、住民からの支持は得られている方ではなかったらしい。先日のフードコートでの、コイツの息子達の行動を見れば納得だがな。


 俺はその場を後にすると、賞品である装甲車の前まで歩いていく。


「おい、コレが賞品だな?」

「は、はい! 崩壊前の遺物をレストアした物になります。装甲は連盟制式戦車並なのに、速度はその倍はでる代物です!」

「崩壊前の遺物という割には、随分と古いみたいだな? それに、砲は小さいって説明が抜け落ちてるな?」

「そ、そうですね……ただ、エアコンを追加してますので、砂漠でも快適ですよ!」

「その分、燃費が落ちて、速度も低下しそうだな?」

「そ、それは……」

「まあいい。それで、この後はどうすればいいんだ?」

「はい! 賞品の装甲車と、優勝車両で街中を凱旋してもらいまして、そのまま中央の城まで来て頂く形となります」

「女が貰えると聞いたが?」

「え、ええ……どの娘にします? お連れの方はもう選んでいるようですが」

「なに?」


 振り返れば、キエルが並んだレースクイーン代りの女性奴隷達の中の一人の手を取っていた。例のカティア似の女の子だ。


「お、俺! こ、この娘……この娘がいいです!」

「あれ? キエル、その娘でいいのか!? だって────」

「俺! 考えたけど、カティアさんには不釣り合いなんだ。だからせめて……」


 だからせめて、憧れのカティアそっくりの娘を選ぶ、と……まあ、気持ちは分からなくもない。その娘の立場で考えれば、見ず知らずの男が自分に憧れの女の面影を見て代わりにしてくるという、最悪極まりない事だがな。

 ……あれ、俺も同じ事しようとしてたんだよな? ま、まあ……とにかくここはキエルに譲ってやるとしよう。

 何せ、キエルにとっては童貞卒業がかかってるのだ。人生一度きりの大事な儀式……憧れの女がいいに決まってる。


「……じゃあ俺は、その娘とその娘と、あとその娘ね」

「はぁ!? い、いや……女の子は一人一人までですよ!?」

「あん? 何勘違いしてやがる! この娘は優勝分、この娘は最多キル分、そしてこの娘は単独生存分だ!」

「えっ、ええぇぇぇ!?」


 残念ながら、お目当の金髪爆乳娘はいなかった。だが、目の前の奴隷達はレベルの高い粒揃いの娘達だった。

 その中から気に入った娘を3人ほど選び、側に引き寄せた。お目当てがいない以上、女の子達には悪いが、数を揃える事で満足するとしよう。


「何だ、文句あるのか? そのドラゴンなんとか賞だの、ローンなんとか賞ってのは、何か貰えるのか?」

「い、いえ……特には」

「それって、賞の意味あるのか? 俺たちグランドスラムなんだろ? これくらいいいじゃん。賞を寄越したのはそっちだろ?」

「ちょ、ちょっと上と掛け合います」

「ダメだ、市長さっきので伸びちまってる!」

「ええっ、どうしたら……」


 俺の行動に係員達は混乱しているが、無茶を通すならこのタイミングだ! 俺は先程同様にソードオフショットガンを抜くと、係員達に向ける。


「おいお前らッ!!」

「「「 ひぃッ!! 」」」

「フフフッ……お前ら、俺の名を言ってみろ!」

「「「 た、タリク・ファラーヘル様です!! 」」」

「よ〜し、なら問題ないな! ほらキエル、お前はそっち運転しろ」

「り、了解!」


 何が問題なしなのか俺でも分からないが、俺の奇行と脅迫の末、無事にこの3人の娘とベッドインできそうだ。

 キエルに装甲車のハッチの鍵を渡し、俺はキエルの車に女の子達と乗る。キエルに装甲車を運転させるのは、帰りに運転させるつもりなのと、俺が目立つためだ。


 キエルが本名を名乗った以上、少しでもこの街の人間の記憶を薄めるべく、俺が目立つ必要があるだろう。

 キエルの車はオープントップだ。このヒャッハースタイルで美女を侍らせながら走れば、さぞ目立つ事だろう。


「ヒャア! 行くぞ、凱旋だ!」



   * * *



-数時間後

@ドラゴンキャッスルホテル 支配人室


「いてて……クソ、タリクの奴め!」

「私がどうかしましたか、ハラーガ市長?」

「い、いや違う、あのニセモノの事です!」


 ドラゴンズネストの中心部に聳え立つ、古城のような施設。ここは、崩壊前はアトラクション兼、ホテルとして使われていた建物であった。

 そのホテルの支配人室にて、ハラーガとタリクが会談を行っていた。


「何と乱暴な奴だ! あんな者に息子達が……うおおおん、息子よぉぉぉぉぉ!!」

「やれやれ……それで、奴らの素性は割れたのか?」

「はい、おそらくスカベンジャーの者かと。メフテルバードの住民にも、“ローレン”という名前の者がおるそうですので」

「ふむ。それで、私と同じ名前の彼はどうだ?」

「そちらは現在、本名含めて調査中です。先日、街中でおかしな装備を押し売りする奴らがいたそうですので、詳しく調べている所です」

「わかった、そのまま調査を続けてくれ。しかし、スカベンジャーか……つい最近、デメテルのゆりかごの大攻勢があったばかりの筈だが、バーディングに参加する余裕があるのか?」

「スカベンジャーといっても、複数の氏族に別れております。襲撃されたのとは別の氏族では?」

「確かに。だが、連中の使った武器は脅威になる。何としても確保せねば」


 泣き喚くハラーガを放置して、タリクとその副官は今後の事について話し合う。


「狙撃班の件はどうなっている?」

「そちらも進展はありません。ただ、サッド・マックス氏が狙撃班の狙撃銃で狙撃されたのは間違いないかと……」

「サッド・マックス! ワシの息子か!?」

「おや、落ち着きましたかマックス市長?」

「全く、今日は最悪バッドだ! 息子達がデッドに、サッドしみでハラーガ満杯マックスだ!」

「ご愁傷様です」

「オッズ850倍の支払いも、息子達が死に絶えたのも、全部全部奴の……タリクのせいだ! ああ、ニセモノの方ですぞ? 奴め、生かして返さんぞッ!!」

「なるほど……それなら協力できるやもしれません。私も、奴に名前を騙られていい気はしませんからね」

「お、おおそうか! タリク殿もご立腹か!」

「それで、奴は今どこに?」



   * * *



-同時刻

@ルインズランド北部 デメテルの御座


「巫女エレナの軍は全滅。生き残った者も、砂漠を越える事はできず、かなりの数が失われました」

「こ、これは……」

「かなりマズいですわね……」


 デメテルのゆりかごの本部とも言える、大きな一枚岩から成る神殿にて、緊急会議が開かれていた。内容は、ローシュに派遣した軍が大敗を喫したというものだ。

 ローシュに派遣した軍は、約20万人の規模の大軍であったが、帰って来れたのはほんの数万人だった。


 ちなみに、戦闘で死亡した人員や捕虜になった人員よりも、砂漠で力尽きた者の方が多い。水も食糧も指導者も無く、碌な装備も持たぬ彼らの多くは、砂漠で遭難し力尽きてしまったのだ。

 人海戦術が売りのデメテルのゆりかごにとっても、流石に十数万人規模の損失はかなりの痛手であった。


「あのガキ……なんて事をしてくれたの!」

「これだと、ウェルタウンの悪魔共へ征伐に遣わす者がいなくなるわよ!?」

「農場も人手不足になるかもしれないわ!」

「そもそも、シスター・エレナはどうしたのですか!? 責任を取らせないと!」

「おそらく捕らえられたか、殺されたのでしょう」

「今頃砂漠で野垂れ死んでるかも……」

『それで、これは何の騒ぎでしょう?』

「は、ハール様!」


 巫女達が責任の所在について騒いでいると、神殿の奥から聖女ハールが姿を表した。


「「「「「 我らが女神、大いなる自然の神子みこにして代弁者、永遠の聖女ハール様! 我らをお導き下さい! 」」」」」

『はぁ……それで、何の騒ぎか聞いているのですが?』

「シスター・エレナ率いる軍が、ローシュで大敗を喫しました」

「生きて帰れた者も2〜3万ほどかと……」

『シスター・エレナが? それは意外でしたね』

「それで、この責任をどうしようかと」

『シスター・エレナを選んだのは私ですので、私が責任を負うべきでしょうね』

「い、いえそんな事は……」

「そ、それよりも、このままでは食糧生産にも影響が出るかと。そちらの方もどうするか考えねばなりません」

「いや、それよりも祝福の増産を────」

「いえ、それよりも────」


 聖女ハールは、その赤い瞳で巫女達が言い合う様を眺めると、溜め息をついて呟く。


『はぁ……そろそろ潮時ですね』

「は、ハール様?」

「おい皆静かに! ハール様が何か申しているぞ!」

『長い実験と観察でしたが、もう十分良いデータが集まりました。“デメテルのゆりかご”は、本日をもって終了します。皆様、お疲れ様でした』


「「「「「 …………は? 」」」」」


 聖女ハールの突然の言葉に、巫女達は訳がわからず呆然とする。


『どうされたのですか、皆さん? 今言った通り、デメテルのゆりかごはお終いです。どうぞご自由にして下さい』

「あ、あの……」

「それってどういう……」

『伝わってませんか? デメテルのゆりかごという宗教は、本日で終了です。皆さんも、巫女の仕事は今日で終わりですので、後はご自由にしていただいて結構ですよ』

「お、終わりってそんな……」

「は、ハール様の教えは!? 我らの教義はどうなるのですか!?」

『宗教の教義ですか? あれは昔、実験を始める際に考案したものです。要は嘘ですね。本気にしなくて結構ですよ』

「嘘って……」

「実験!? い、一体何を言って……」

「そ、そんな!? では、神とは何ですか!? この世界を、自然を創りたもうた神とは!?」

「う、嘘だ! だってハール様は信託で天気を……」


 突然の話に混乱する巫女達をよそに、ハールは微笑を湛えた顔で続ける。


『神ですか……ふふっ、いると良いですね。天気予報に関しては、崩壊前から使用されている技術です。データと技術があれば、誰でもできますよ?』

「崩壊前の……技術……!?」

「そ、それは教義に反する────」

「うるさいうるさいッ! さっきから聞いていれば、我らを惑わす言葉ばかり! コイツは聖女ハールを騙るニセモノだッ! ハール様を返せッ!!」

「あ、ちょっと!!」


──カチャ、ズダダンッ!!


「「「「「 ッ!? 」」」」」

「あぐっ……この、悪魔め……かはっ、本物のハール様を、返せ……」

『信じようが信じまいが、私がハールです。流石に自身に降りかかる火の粉ははらはせて頂きます』

「ごふっ、ハール……様ぁ……」

『何でしたっけ? ああ、そうそう自然回帰。貴女の遺体も、自然に帰るでしょうね。今、楽にしてあげます』


──ズダダダダダッ!


「あれは、銃!?」

「な、何故異教徒の……悪魔の道具をハール様が?」


 巫女達にとって、訳の分からない話を連発するハールに対して、混乱した巫女の一人が殴りかかる。

 すると何とハールは、ローブの下から大型の拳銃のような短機関銃を取り出すと、迫る巫女へ発砲したのだった。そして、慈悲深く見える顔でトドメを刺すと、混乱する巫女達へと向き直る。

 そして上品に一礼をすると、ツカツカと神殿を後にしようと歩きだす。


『では皆さん、ご機嫌好う』

「えっ、ハール様!? どちらに行かれるのですか?」

『ノア4……貴女達が言うところの、“生命の泉”です』

「お、お供致します!」

「わ、私も!」


 巫女達は混乱の中、去ろうとするハールに着いていく者と残る者達に別れた。そして、残った者達の中でも様々な者達に別れはじめる。


「ハール様が去った……という事は、私が新たな聖女になるわ!」

「何を言ってるのよ、私こそ聖女に相応しい!」


────新たな聖女を名乗る者。



「こ、これからどうしたら……」

「私は、ウェルタウンに渡るわ。一緒に来る?」

「ウェルタウン!? な、なぜ悪魔の巣窟に?」

「そうよ! 気は確かなの!?」

「悪魔? はぁ、アンタらまだ言ってるの? さっきのやり取り見てたんでしょ? 現実的に考えなさいよ!」

「で、でもどうやってウェルタウンに?」

「行ったら殺されるわ!」

「知ってる? ここだけの話……奴ら、信徒達を騙して奴隷にしてるらしいの」

「なっ!?」

「そ、そんな事が……」

「その信徒……いや、奴隷達の管理に私達が必要らしいの。だから、配下の信徒を連れていけば────」

「な、なるほど……」

「そういう事。私はこんな所、もう御免だわ」

「わ、私も着いていきます!」

「わ、私はローシュの方にしようかな」


────他勢力への鞍替えを図る者。



「あははははッ!」

「あ、貴女……まさか祝福を!?」

「その量、死んでしまうわよ!」

「ははははッ、あはははは!!」


────混乱に耐えきれず、祝福に手を出す者。



 神殿内は混沌と化し、ここにルインズランドの巨大勢力は分裂し、瓦解していく事になった。


『やれやれ……いつの時代も、組織の末期というのは似たようなものですね』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終末世界へようこそ ウムラウト @umlaut

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画