第250話 ただいま
〜エルフ〜
あの後の話をしよう。
神様達曰く、私は本当に神になったらしいけど自覚出来るような事はほぼなかった。
終わったし帰れると思っていた私に待っていたのは、神様達による囲い込みだ。
フリーの神というのは狙われやすいみたいで、囲い込みもなかなか時間が掛かってしまった。
やっと神様達のグループ的なのに所属できたと思ったら、次に待っていたのは神様としての教育だった。
これが長いのなんの、体感でも100年は余裕で経ってたね。
ちなみにリーナも教育を受けて、私の眷属になった。
今は最終テストの再試で居ないけど。
「リースたん、卒業おめでとう。」
「ありがと…」
教育は基本的にマンツーマンだったせいで会話する事なんて殆どなく、私はコミュニケーション能力が落ちてしまった事を自覚している。
琴音達に心配されちゃうよなぁ…
「帰る…」
「え、あっ…!」
なんだ神様のその反応は…
「流石に100年世界を停止させるのは無理だったんじゃ…
限りなく時間の進みは遅らせてあるが、数年経ってしまった。」
「ぇ…」
「あぁ、大丈夫じゃ!
まだ全然生きとるし、若返らせるぐらいなら可能じゃから!」
そう言う問題じゃ無いやろがい!
私は神様に少しの殺意を向けながら琴音さんの居る世界へと向かうのだった。
〜白仁琴音〜
あの夜からリースちゃんは帰ってこなかった。
それから1ヶ月の間はみんなで必死に探した。
私と朱音ちゃん、友美さんと愛美さん、リースちゃんの友達、海外からゴリ押しで日本に来たナナリー、朱音ちゃんと仲が良い魔法使い、大勢で探したのにも関わらず見つからなかった。
そのうちリーナちゃんも消えた。
今ではみんな社会人、半年に1回全員が揃ってリースちゃん探索の進捗を話す。
「白仁さん、今回の報酬と次の依頼の資料になります。
また上の方からお見合いの話が…」
「また?!
資料と報酬はそこに置いといて、お見合いの話は私より強くなってから出直してこいって伝えて追い返していいから。」
「かしこまりました!」
私は魔法使い連盟の日本支部代表になった。
毎日門から現れる魔物を討伐し、魔石の採掘を行う仕事をしている。
ちなみに日本をのぞいて世界中にあった門は一度止まっており戦争になりかけたけど、再び魔石の採掘を行えるようになってからは他の国との関係は極めて良好。
でも魔物という脅威がある事で魔石の採掘は魔法使いの仕事となった。
その事情から魔法使い達は将来はほぼ安泰という認識が広がり、世間からの評判はそこそこ良い。
「報告書、報告書…
また魔物出たのか。」
門から現れていた魔物は、様々なところにランダムで現れるようになった。
魔法使い達がそれぞれの地区を守っている。
「朱音ちゃんも頑張ってるんだな。」
リースちゃん達が居なくなって抜け殻のようになっていた朱音ちゃん。
魔法という繋がりを求めてるのか魔法使いとして修練を積み、今では1位の私とランキング争いをしている。
私が支部長ということもあり、一時期は身内贔屓だとマスコミがうるさかったけど石板に関与は出来ないし、魔法使い達が納得できないなら決闘を受けるって言ったら収まった。
カスどもが、リースちゃんぐらい強くなってから出直してこい。
次に守護者の話をしよう。
ある時期から現れなくなった守護者を調べる人も居た、まぁ大半が都市伝説みたいな説を唱えて満足するだけの奴等だったね。
石板から守護者の欄が消えて、死亡説とか色々出たけど結論は出ないまま人々の記憶からは薄れてしまった。
「というか、何かの意思がそうさせてる気がするんだよな。」
守護者であるリースちゃんの情報だけ、緩やかに消えていってるのだ。
クラスメイトだった人達がリースちゃんの存在を忘れて過ごしていると知ったとき、私は何かしらの力が働いてるんだと察した。
コンコン
「失礼します。」
「え、もうそんな時間?」
「はい。
下に車を待たせております。」
めんどくさい会食かぁ。
あの老人達は見合いを進めてくるし、私にはリースちゃんが居るから余計なお世話だっつーの。
一度リースちゃん捜索のことを揶揄われた時は思わず魔法をやっちゃったよね。
すぐ治して記憶消したから誰も覚えてないけど、そいつは私を怖がってる。潜在意識に恐怖が埋め込まれたんだろう。
「明日って予定は入れてませんよね?」
「もちろんです。
2か月前から申請されてますし、私が処理できない九を要する連絡以外は絶対に行かないようにしてます。」
「ありがとうございます。」
はぁ…
今日を頑張って乗り越えれば、朱音ちゃん達との楽しい食事会!
頑張るぞ〜…
「ーーーー。」
「ーー、ーーー。」
ん?
「揉め事でしょうか?
少々確認してまいりますので此処でお待ちください。」
「はい。」
私の特権の一つ、直通エレベーターから降りるとエントラスが少し騒がしかった。
付き人が確認しに行って、予想以上に早く戻ってきた。
「危険はないと思われますので、そのまま出ても問題ないかと。」
「了解。」
キリッとした表情を作ってエントラスへ向かう。
ほら、やっぱり外面は大切だからね。
「お嬢ちゃん、お父さんかお母さんは居るかな?」
お嬢ちゃん?
あぁ、小さい女の子が紛れ込んじゃったんだろうな。
「どこ〜…」
「まいったな…」
「え?」
誰かを探してる女の子の声と、どうするべきか迷ってるスタッフの声が聞こえた。
「…少し待ってて。」
「少しって、もう時間は…
白仁さん?!」
女の子の声に聞き覚えがあった。
もしかしたら違うかもしれないけど、確認しないと後悔するって私の勘が告げてた。
受付の直ぐ後ろの部屋に入ってるみたいで姿は見えない、ギョッとしてる受付の人を無視して部屋に入り込む。
「し、白仁さん?!」
「あっ…」
女の子の姿を見た私は涙が溢れてきた。
「リースちゃん!」
「琴音〜!」
私の名前を呼んだリースちゃんは、昔と変わらない笑顔を見せてくれた。
今からの予定はもちろんキャンセル、リースちゃんと一緒に過ごす予定だ。
やっと会えたねリースちゃん…
「あ、急に居なくなったお仕置きはあるからね。」
「ぇ…」
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どうもノツノノです。
後日、創作日記で書き終えた感想とか書く予定なのでここでは簡潔に言います。
『ハイスペックエルフボディで地球を守ります!え?私が戦わなくても問題ない?!』
は今回で本編は完結となります。
作者の初めての作品で文章やストーリー構成が拙い部分も多かったと思います。
それでも1年と2ヶ月という長い期間、応援ありがとうございました。
何度もメンタルが落ちて折れそうになりながらも、皆様の★ 応援 が励みになり本編完結まだ来ることができました。
本当に、本当に応援ありがとうございました!
これからも作者を応援してくれると嬉しいです。
ハイスペックエルフボディで地球を守ります!え?私が戦わなくても問題ない?! ノツノノ @pannda1617491021
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