劇物レベルの神作

 本作は話数が多い。しかし、1度たりとも中だるみしていません。毎話登場人物が物語を駆け回って、綿密な上に滞りのないストーリーが進行していく。読んでいてどんどん加速していき、その都度胸が熱くなります。

 本作の魅力と言える要素は多く、複雑で語りきれません。
想像を絶する波乱万丈なストーリー展開や、1人たりとも例に漏れない登場人物の造り込みの深さ、豊かで味わい深い文章表現。なろう系小説の中でぶっちぎりでいちばん面白いと思っています。

 自分はなろう系作品を読む時、「欠点が少ないことも魅力」だと思っていました。要するに“舐めて”いました。文に違和感があっても、キャラが呆けているなと感じても、ストーリーに矛盾があっても、「まぁ読める」というレベルで満足していました。
勿論「うわこれすげぇー文句どころか加点要素しかねぇ!」というものに出会ったことは何度もあります。ありますが、ここまでではなかった。本作を読んでから、僕はこれ迄スイスイと読み進めてきたなろう系小説の大半を読みあぐねています。どうしようもなく“欠点”が気になるようになってしまいました。それは別に本作に他作品を否定するようなニュアンスが含まれている、というわけではありません。言うなれば、本作の素晴らしさに当てられて僕の価値観がぶっ壊れてしまったということです。
まぁ何を言っているか分からないかもしれませんが、とにかく本作の完成度が凄まじく高いと伝えようとしていることを理解してください。

 世界にとっての主人公と同様に、僕にとってこの作品は劇物となりました。既存の価値観を喰いちぎって変革を起こされた。なんて、個人が述べるには気取り過ぎなセリフが頭をよぎるくらい衝撃を受けました。
僕のようになろう系に入り浸っているそこのあなた。本作は凡作に慣れて燻っている心を盛大に大炎上させるでしょう。お節介かもせれませんが、読了後の喪失感に耐える覚悟をしておいて下さい。


6/1追記:完結したぁ〜⤴︎。続きが気になるような終わり方しよってからに。ホントこれからどうしようかね( ᐛ )و
圧倒的に覚悟が不足してた。喪失感に対する覚悟が……。キツイ。
とりま弟に布教成功✌️