邪神が転生 ！ 潮来 由利凛と愉快な仲間たち

第324話 そして、完結へ……

【嵐side】

『紅葉を逮捕する』と言ったバーダック……タイムパトロールとか言っていたな。

　しかし、奴の目は紅葉では無くて、朝食の食パンを口に咥えているパラスを見ていた。

　勘の良いパラスが急いでパンを食べてしまうと、明らかにガッカリした顔をしている。

　コイツ、もしかして……

　俺は、オヤツ用に持っていた我が県名物の限定干しイモを取り出して、バーダックの前でちらつかせると、ゴクリと唾（つば）を飲み込む奴がいた。

　やっぱり、コイツは食いしん坊キャラだな……

　ぐぅぅぅ～と腹を鳴らしているバーダックに、

「紅葉を見逃してくれるなら、俺のオヤツを分けてやるぞ 」

　プライドの高そうなバーダックだったが、食欲には勝てないのか、直ぐに頷いて俺の持っている干しイモを袋ごと奪いさり懸命に食べ始めた。

　その様子を見た妹たちも自分達のオヤツを差し出すと、それさえも奪いさるようにして食べ始めるバーダック。

　やがて満足したのか、腹をさすりながらバーダックは帰って行った。

　紅葉を見るとあきれ果てているかと思いきや、明らかに同情している。

　不審に思った明日菜が紅葉を問い詰めると意外な答えが帰ってきた。

　紅葉曰く、未来の食料事情は悪くなり、サプリメントと昆虫食料が主食に成ってしまったらしい。

　今の時代の世襲議員が国庫の税金を食い潰して日本は貧乏国家に転落した。

　海産物も日本を取り巻く国に漁業権を奪われたあげくに、農業も補助金をカットされて衰退。

　この時代の世襲議員、蟋蟀太郎が推し進めていた昆虫食料が注目されて、そのまま主食に成ってしまった為に一般人はこの時代に普通の食料を食べられなく成ってしまった。

　大江戸グループは政府、自業自得党の政策に真っ向から反対して、ほそぼそながらも農業や漁業を保護したので、高価ながらも現在の食料を口に出きるのは一部の者に成ってしまった。

　未来、真っ暗じゃないか ！

　思わず、明日菜や英里香を見ると、何かを決意していた。

　◇◇◇◇

　数年後……

　明日菜は大江戸グループの総帥見習いに成り、母親の勇気母ちゃん（女神メティス）がサポートしながら舵取りをして、日本の漁業や農業を中心に民間からのサポートをしている。

　政府に介入されないように補助金を頼らずに大江戸グループに組み込んだ形だ。

　一方、英里香は日本洗濯党を立ち上げた。

　党首には今川徳松、副党首に吉良左近……

　他にも才谷屋竜馬など、古（いにしえ）の偉人をAIつまりスーパーコンピューターオモイカネを使い黄泉（よみ）がえりさせることに成功した。

　元いた世襲議員たちは大反対をしたが、裏金や脱法などの不祥事が次々と明るみに成り失職。

　官僚も中抜きなどがバレて次々と幹部、上級官僚が免職に成り、代わりにスーパーコンピューターのAIが活躍しだすと国民は日本洗濯党や大江戸グループを支持することに成ったのだ。

　まあ、議員や官僚の不祥事は由利凛がオモイカネを使って洗い出して外国人特派員協会に情報提供したので、奴らには揉み消しが出来なく成ったし、日本の腐敗したマスコミは世界中に恥をさらした。

　大物の政治家や幹部官僚も不和と争いの女神エリスである英里香にハメられて破滅したから意趣返しされる心配は無い。

　また、オモイカネが世界中のスーパーコンピューターと連携してハイテク武器を管理しているので、独裁国家からの戦争の心配も減った。

　人間よりコンピューターによる管理が始まったが、世襲や独裁者よりは平等に成っただけでもマシだと思う。

　俺や蝶子は幼稚園の先生に成った。

　大江戸グループの幼稚園だから、比較的 楽をさせてもらっている。

　蝶子とは友達以上恋人以下の微妙な関係を維持している。

　蛍がアホのアザゼルと結婚した為に俺は俺は……

　必ず理想の嫁、妻を娶（めと）るからな ！

　◇◇◇

　作者より

　急ですが今回で一旦、完結に成ります。

　拙（つたな）い物語を読んで頂き、ありがとうございました。

　続編か別の作品で、嵐たちが活躍？する予定です。

　最後までお付き合いして頂き、ありがとうございました。

(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ