第323話 未来からのお客様 !?

【嵐side】


「パパ、見つけた ! ついでにママも」


 学園に向かう途中に空間が空いて女の子が現れた。


「誰だ、お前は ?」


 俺が聞くと女の子は襟を正して、


「私は大江戸紅葉おおえど もみじ

 パパ、大江戸嵐とママの娘だよ !

 そして、オリュンポスの軍神アレスと愛と美の女神アフロディーテの娘、調和の女神ハルモニア

 正真正銘、パパとママの娘ですよ ! 」


 その場に居た弟妹たちも潮来三姉妹も固まってしまった。

 ……嘘は言ってない。

 確かにハルモニアを名乗る娘の魂には見覚えがある。


「きゃぁ、嵐くんと蝶子ちゃんの娘 !

 やっぱり、蝶子ちゃんと嵐くんは赤い糸で結ばれていたのね ! 」


 ……一人だけ喜び小躍りする蝶子


「ハルモニア……いいえ、紅葉

 私は明日菜、女神アテナと言えば解るかしら 」


 場を納めようと明日菜が仕切ろうとするが……


「明日菜わっかぁ若いー ! 英里香も巧も、皆 若~い !」


 ピシッ !


 妹たちの額に青筋が浮き上がっている。

 いけない、それ以上言ったら血の雨が降るぞ !


「お▪ね▪え▪さ▪ん、お姉さんと言ってくれる。

 ハルモニア……紅葉ちゃん」


 口元をヒクヒクさせながら忠告している英里香女神エリス

 噴火、五秒前と云う顔だ。

 頼むから、これ以上 問題を起こすなよ。


「私が未来から学生時代のパパとママの所に来たのは、未来を確定させる為なんだよ !」


 不思議に思って、妹達と一緒にアレコレとハルモニアに聞いていく。

 どうやら、未来は確定しているワケでは無く、ちょっとしたことで変わるらしい。

 そして、数多くある未来のウチに『俺と蛍が結婚する未来』は確認していないと聞いて、ガックリしている。

 ほとんどの未来で、俺と蝶子が結婚する未来だと言っていた?

 ハルモニアに理由を問い詰めると、神としてのアレスとアフロディーテの息子、エロスが黄金の弓矢を使っていたらしい。


 おのれ、エロスめ !

 そういえば、アフロディーテはエロスを凄く可愛がっていた、エロスの嫁に嫉妬するほどに……

 蝶子を見ると、キョトンとしている。

 アフロディーテの記憶が蝶子に完全にダウンロードされていないからだろう。

 確か、蝶子はアフロディーテとは別人格だと言っていたな。


「エロス……人間としての名前はどうなっている ?

 コッチには来ていないのか ?」


 ハルモニアに質問すると……


大江戸栄太郎おおえど えいたろうだよ、パパ。

 タイムパトロールT▪Pがうるさいから、囮に成ってくれているよ

 アイツら、しつこいんだよね !」


 そんな風に愚痴を言っているハルモニアの背後に空間が出来て二人の男が出てきた。


「タイムパトロールのバーダックだ

 大江戸紅葉、違法時間逆行罪で逮捕する !」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る