第一に感じるのが、作品と読者に対する作者様の真摯さです。
改行、余白のバランス、ルビのつけ方など、ページ全体の美しさに気を遣われているのがわかります。
文章ももちろん読みやすく、設定がしっかりしているので安心して読み進められます。
異世界ファンタジーなので世界観の説明は多いですが、一度にまとめて書いてしまって読者を退屈させるようなことはありません。愛らしいキャラクター同士の会話を挟んで小出しにすることで、読者をすんなり世界観に引き込むことに成功しています。
また展開も先を急いであらすじ的になってしまうことなく、読者と一緒に一歩一歩進んでいく感じです。
昨今多いカジュアルな異世界ファンタジーではなく、昔図書室で読んだ児童書のような、作品自体に穏やかな雰囲気を備えたファンタジーです。
美しい。
あらずじ…五つの大陸からなる世界「ストラディア」が舞台です。この世界では魔獣と呼ばれるモンスターや契約することでより強力な力を得ることができる精霊が存在します。東大陸から中央大陸にやってきた美少女エステルは、バディの少女ルリーテともに、かつて命をかけて自分を救ってくれた父親と父親の手紙を届けてくれた少年セキのいる南大陸を目指します。
おすすめポイント①…ハードかつややダークな世界観に可愛らしい美少女の組み合わせが絶妙。この世界で「探求士」と呼ばれる冒険者の2人が魔獣と戦いますが、レベル上げ対象の雑魚モンスターなんか存在しません。最初から全力で戦っても常に死と隣り合わせの緊迫感があります。魔獣が植物や昆虫の特性をフルに発揮しており正直こわいです。美少女ふたりにはキツいのではといつもドキドキするでしょう。
おすすめポイント②…オシャレかつオリジナリティーあふれる文章。魔術、モンスター、設定の全部がオシャレです。そもそも冒険者ではなく、「探求士」なんです。南大陸は「バルバドス」なんです。読み進めると超美麗なイラストが脳内で見えてくるでしょう。
少年セキと出会う前までのレビューとなりますので、ここにボーイミーツガール要素がプラスされさらに盛り上がることでしょう。オススメです!!!
徽章術なる魔術をあつかう章術士の少女エステル。彼女の仲間の少女ルリーテ。そのエステルが何者なのか、ということが簡潔に描写されたプロローグによって、本作は幕をあけます。
プロローグは2話にわかれており、もう片方のプロローグでは青年セキについて語られています。
エステルとセキ。プロローグを読めばわかるのですが、このふたりは十年前に出会っています。そのときに、一緒に冒険をするなら仲間になるという約束をして、それを果たそうとすることで物語が動きはじめます。
そして、その物語ですが、非常によく世界観や設定が作りこまれており、冒頭から濃密なファンタジーの世界に入りこめます。
「中央大陸(ミンドール)」や「自然魔力(ナトラ)」「下位風魔術(カルス)」「下位火魔術(ヒルス)」などの作中に出てくる用語が、そうした世界観の構成の一助にもなっているのですが、個人的にすごいなと思わされたのが、これら用語に打たれたルビ(ふりがな)のネーミングのセンスのよさのみならず、ルビの意味がわからなくても、ルビをふられた漢字のほうを読めば、おおよその意味がつかめるようになっている親切設計です。
このレビューは1章まで読んだ時点で書いているのですが、同章ではエステルとルリーテがオカリナという村でクエストをこなしていきます。そこで展開される魅力的なストーリーと、仲間になる個性的な人物たち。
おそらくカクヨムに掲載されている小説のなかにあって、本作は一話におけるボリュームが多いほうの作品だと思いますが、内容が面白いので、ぼくの場合は苦もなく読み通せました。
すでに書いたとおり、このレビューは1章を最後まで読んだ時点でのレビューです。2章以降、この物語がどうなるのか、エステルとセキはふたたび出会えるのか、出会ったとしたら、どうなるのか、いまからとても楽しみです!
『パレット探求記』、おすすめです!!
章術士の少女エステルが、魔術士の少女ルリーテとともに、広大な世界を旅する物語ですが、オリジナリティ溢れる細やかな設定がなされています。
星や月の加護を得た魔力スキル、徽章術を発動させて戦うシーンが、オリジナリティがあって凄く綺麗だなぁと思いました。
エステルとルリーテも素直で気立ての良い少女で、頑張り屋さんなので、とにかく応援したくなります!
困難な課題もあるけれど、人々の助力を得つつ、努力してゆくエステルとルリーテ。
最初は少女二人のパーティで心細い中、旅先で出会う人々との交流が温かくて、ほっと心が温まるシーンもあります。
そして、新しい仲間とのめぐり合いも!
青年セトはエステルとの再会に若干不純な気持ちもあるようですが(笑)、成長したエステルに目を奪われること間違いないと思います!
この広大な世界を、エステル達と一緒に冒険している気分になれる素敵な小説です!
少女エステルと青年セキが十年前に交わした約束、『再会』を果たすために旅をする王道ファンタジーです。
エステルとルリーテという女の子たちの仲睦まじくも微笑ましいやり取りや、竜であるカグツチと共に旅をするセキという男のロマンも感じれるお話は必見!
一粒で二度美味しいのに、世界観の設定も細やかで、ネーミングセンスも非常にグッドです!
果たして二人は出会うことができるのか? 数話読んだ時点では若干セキの再会したい理由が不純な気がしなくもないですが、本当のところはどうなのでしょう? 逆に好感が持てていいアクセントになっているとは思いますが(笑)
ファンタジーな世界にどっぷり浸かりたい方はオススメです!
特徴的な名詞の数々で綴られる雰囲気と、少年少女がクエストを通じて成長する王道ストーリー、そんなハイ&ローミックス・ファンタジーです。
バトンを振り、光の旗をひるがえすように魔法を発動させる、主人公エステルのアクションが華やかで可愛らしいです。
まさに魔法少女の決め技バンクシーンですね! それはさておき。
そんな彼女を姉妹同然に支えるルリーテ、クエストをこなす中で友人となった少女エディット、頼れるお姉さんのキーマと、少しずつ絆の輪を広げながらエステルは最初の試練、精霊との契約を目ざします。
幼い頃に交わした約束、生きることに向き合う気持ちをくれた少年、セキと一緒に歩くために……。
きめ細やかな作品世界と、親しみやすい物語を堪能できる異世界紀行、可憐な少女たちの視線を通して、皆さまも覗いて見られてはいかがでしょうか。
(第5話まで読了時のレビューとなります)
共に冒険するという10年前の約束を果たしに、成長した男主人公セキと女主人公エステルがそれぞれ再開を夢見て旅をするお話であり、王道ファンタジーらしい壮大なロマンを感じさせる物語となっております。
特筆すべき点は、日常から戦闘まで極めて丁寧に描写されていることで、読者はまさにその場に居るような一体感が得られるでしょう。かと言って冗長過ぎず飽きさせずと、物語に上手く惹き込んでくるところに、作者様の文章表現力の高さが伺えます。
また、ファンタジーらしく魔法が登場しますが、その背景の作り込みがとにかく「綺麗」です。詠唱を詩と呼んだり、星を象徴するものが多かったりと、隅々まで凝って作られていることがすぐに見て取れます。
女性サイドでは、周りからは落ちこぼれと言われるエステルと彼女を慕う妹分のルリーテの冒険となりますが、開幕では少々身の丈に合っていない場所に居るため、簡単なクエストであっても危なっかしくありハラハラさせられます。
そのような未熟な二人ですので、魔物に魔法や技を脳筋でぶっ放すだけで勝てるわけはなく、それら手持ちの武器の特性を上手く組み合わせ戦術を練って勝利していくところに、本作のバトルの醍醐味があるでしょう。
それも生真面目な二人が日々考察を惜しまないという不断の努力ゆえの成果であり、それを積み重ねて成長していく姿を微笑ましくも誇らしい気持ちで見守ることができます。
そうして戦闘では息の合った連携を見せ、日常では仲睦まじく寄り添い励まし合う姿は、本当に心が洗われるというもので、別に百合好きでなくてもニヤニヤしてしまうことでしょう。
男性サイドは、(私の既読範囲では)まだプロローグでしか登場しておりませんが、気さくなセキと相棒のドラゴンとの珍道中(?)と言った趣になっています。二人が交わす遠慮のない会話には確かな信頼が感じられ、とても良い旅をしているのだろうと想像されます。
皆様もぜひとも一度ご覧ください。ハマりますよ!
ワクワクする冒険は魅力ある世界観の中で綴られる、この物語はそれをしみじみと感じさせてくれます。
身の丈に合った魔物に始まり、自分が成長するとともに戦う魔物のレベルも上がっていく。そんな王道ファンタジーは冒険する世界観がしっかり構築されているからこそ面白い!主人公とともに旅をすることでわたしたち読者もどんどんそんな世界観に惹き込まれていきます。
そして、このお話の特長は二人の視点で交互に話が進められていくところ。それは少年・少女の幼い頃に交わした約束。共に冒険しよう、と。
果たして二人は無事出会うことが出来るのか?それが物語の一つの柱になっています。
さあ、そんな魅力的な世界に共に旅立ちましょう!