まいった! めちゃくちゃ面白い!

不思議だった。

何故、この小説はこうもありありと情景が浮かぶのだろうか?

最初に断っておくが、この壮大な探求記は、誰が読もうと間違いなく傑作である。
重厚に作り込まれた世界観、魅惑的なキャラ達、圧倒的な構成力は、私などが語る必要はない。ちょ、ちょっと、自信失くすから! と書き手でもある私を動揺させ嫉妬させる素晴らしい傑作だ。

だが、それだけではない。

そっと差し込まれた語り手のユニークな視点での表現、これは多くの書き手がやりすぎて読者をしらけさせてしまう技術だが、この作品は見事なバランスで成立させ、筆者様の驚くべき技量の高さをさりげなく垣間見させる重要なポイントとなっている。ぜひ、楽しんでほしい。

だが、それでも語り終えれない。

最後に言葉の魅力。オープニングでこの壮大な物語の幕開けが、映画の様に見事に脳内で映像化され、読む者の心を一気に鷲掴みにする。その後も続く様々な小さな場面でさえ、生き生きとその情景は浮かび続ける。非凡なんてものじゃない。間違いなく言葉の神様に選ばれた人間にしか出来ない芸当だ。ちょ、ちょっと、自信~、は省略。

最後にこの作品が、どれだけの努力と精進を重ね、どれだけの推敲を行ない、どれだけの時間と熱意をつぎ込まれたのかと、想像するだけで私は泣きそうになる!

ぜひ、皆様お読みになってみて下さい!





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