柏木笑真の日常

鳥谷原 菜月

7月19日

今日は朝眠かった。

昨日やることをやらないで寝たから脳が寝ていいって認識してなかったんじゃないかな。

おかげでいつもはないのに今日は3回も寝ている間に目が覚めた。

だけど何回目が覚めても起きる気にはなれなかったから結局朝7時まで寝てしまった。

やろうとしてた宿題はできなかったし、歯を磨くのも忘れた。いつも選ぶのに時間がかかってしまうからと前日には準備している今日着る服もまだ決まってはいない。

今日の学校に必要なものも準備はしていないし、はあ、とため息をついた。


お母さんは朝私を起こしに来て、「寝ちゃった」って言ったら「いっつも携帯やってやることを早くやらないからでしょ」と言われた。朝から怒られるなんて嫌だなあ。その次お母さんは「今日から携帯没収!!」と言った。

これで多分3度目。没収しても、意味ないのになあ。


私は多分携帯依存症。ずっと見ているし、携帯アプリのアプリを長く使わせようとしている手に私はきっとまんまと引っかかっている。

だからと言って私は返信が早いわけではない。返信するのはなんなら嫌いで、連絡するのも特に興味はない。ただ、携帯で私の好きな漫画を読んだりインスタグラムで投稿してある写真や動画を見るのが好きなだけなのに。


学校はいつも通りだった。楽しいし、面白い。それは私の友達のおかげだと思う。みんながみんな心の底から良い人かは、まだわからない面もあるけれでも、それでも一緒にいて楽しければ結局なんだっていいのだ。

先生もみんな楽しいし、勉強するのは大嫌いまで嫌いではない。知識が増えるのはなんとなく面白いし、それを誰かに話した時、「知らなかった」と言われるのに少し満足できる。


私は学校からのバスで家に帰った。

学校から家まではバスで10分くらい。とても近い。私は今まで近くの学校にしか行ってこなかった気がするなあ。最短で3分、長くても15分くらいだった。


家に帰って部屋に戻ると早速お母さんの「携帯没収って言ったでしょ」の声。べつに携帯使ってたわけじゃないのになあ。

私のお母さんは意味のわからない、そして古い古いルールがある。

1、携帯は自分の部屋に持って行ってはだめ つまり友達と電話するのにも許可がいる

2、10時以降は携帯を使ってはだめ

そのくらい。

しかし、2番目のルールは全く守っていないし、1番目のも守ってないこともたまにあったりする。ルールばっかりで意味がわからない。

もちろん私が携帯ばっかりで他のことをやらなくなってしまうのは嫌だとかそれは私に良くないと思ってのことだとは知っている。

でもそれで、友達とのグループチャットに全く返信ができないこと、私の好きな漫画を読む時間もなくなってしまうことなんて知らないんだろうな、ばーか。

お母さんは漫画はただの暇つぶしだと言う。だから長く読んでいると怒られるし、私が現実から逃れる方法だと言うことは知らない。というよりも、知ってはくれない。


私はお母さんにイライラしながら携帯を渡し、自分の部屋のドアをバンっと閉めた。


携帯がなくても私はやりたいことが出来るもん。

そんな意地でipadで私は好きなことをした。まず漫画を読んだ。そして、ごろごろした。意地になっていて、トイレすら行かなかった。部屋の外に出たくなかった。

誰にも返信はしないし、誰とも話さない。

そんな空間だった。


昨日あんまり寝れなかったんだよなあ。

そんな考えが頭をよぎった直ぐに私は寝よう!と考えた。


起きた。


それは自然にではなくて、お母さんが部屋に「ご飯!」と言いにきたからだった。


あ、失敗した。私は思った。寝てたことがわかったら、ずっと部屋で携帯がなくても好きなことが出来るんだという仕返しのつもりでしていたことも意地を張ってトイレに行かなかったことも無駄になってしまったと感じた。


でも仕方がない。

私はご飯を食べた。


また夜が来る。

私は寝た。

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