尼寺中学オカルト部議事録

七星北斗(化物)

プロローグ オカルト部

 お化けといった存在が実際するとしたら、君は見てみたいと思うだろうか?


 晴れて僕は、佐賀県尼寺さがけんあまでら高等中学1年生になる。


 自然が多く、田舎の佐賀県には数多くの民話がある。


 尼寺中学の校舎は、築80年の古い木造建築で、なにかとは言わないが、なにかが出そうな感じがする。


 僕はオカルトが大好きで、この学校には由緒正しいオカルト部があるとか?


 その部活には、憧れの人、黒瀬先輩が部長をしているらしい。


 そして今日は入学式だ。


 尼寺中学は自宅から徒歩10分の距離にある。通学路には心臓破りの坂があり、この坂を上った先に校門がある。


 自転車登校をしている生徒を横目に見ながら坂道を上る。


 校門前の景色はどこか幻想的だった。桜舞う春、校門に立つ少女。


 その少女の背後から手が伸び、スカートをバッとめくり上げた。地味な紺色のスカートが翻り、太ももから足の付け根、白いレースの下着が視界に入る。


 少女はスカートを抑え、その綺麗な顔立ちを赤く染めていた。


 スカートをめくった少女は、ボーイッシュな顔立ちで悪びれる様子もない。


 僕が校門前まで近づくと、スカートをめくられた少女から1枚のチラシを手渡された。


 【伝統的なオカルト部、部員募集】


 そんな達筆な見出しとともに、お化けといったら定番の白い布を被ったような幽霊のイラストと、部員募集の文言が書かれていた。


 この人達はオカルト部なんだなと納得する。


 新入部員は入学式終了後、校舎三階北側オカルト部に集まるように書かれており、チラシを裏返すと【肆】の文字が?


 しかし、入学早々なんだかとてもワクワクする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

尼寺中学オカルト部議事録 七星北斗(化物) @sitiseihokuto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ