新企画「Twitterでバズってた『シナリオ力をつけるいい訓練』をやってみた」


 洋介犬@yohsuken 様がTwitterに書き込んだ「シナリオ力をつけるいい訓練」というのをやってみました。


 その訓練内容は「知り合いじゃない男子高校生と女子高生を知り合いにする方法を考えなさい』ただし、できるだけありきたりではない方法で」というもので、そのお題で30個ぐらいアイデアをひねり出せというモノです。


 楽しそうなので自分でもトライしたのですが、ひとつひとつを長く書きすぎてる、余計な設定やらストーリーやらを書き込みすぎてる、奇抜な出会いを脳からひねり出す訓練のハズが本能的にラリった奇抜なアイデアを除外して書きやすいモンを脳みそで取捨選択したのか出会いの方法がありきたりになってしまう傾向があるなど、反省点が多々ある試みでした。(※個人的には最初のコンセプトがはっきり脳に刻まれていた01~03ぐらいまでは良い感じにおかしなモンを考え出せたと思いこんでます。それが小説のネタとして面白いかは知らんですが)


 以下は、私が実際に試してみた訓練の成果です。

 いま恥をさらさないと未来永劫どこにも公開しない結末が透けて見えるので、稚拙なものですがこの場を借りて公開させてください(※10567文字)。







■01

 男子高校生が年齢を偽って『男の娘風俗』でアルバイトを始めたら、最初の客が性別を男と偽り来店してきた女子高生だった。二人はお尻愛になってしまう。




■02

 男子高校生がマスターボールをミュウツーに投げたら、間違えて女子高生に命中してゲットしちゃったので、とりあえずレベル25にあげて進化させることにした。




■03

 男子高校生が体育館の裏で牙突零式の練習をしていたら、同じ学年の女子高生に見られてしまい、羞恥心から殺害を企てるもJKが二重の極みの使い手だったので引き分けに終わる。漫画やアニメの必殺技の再現愛好家である二人は、こうして出会い、良きライバルとなって、厨二な青春を歩むことになる。




■04

 学校を終えて家路へ向かう女子高生は、疲れから黒塗りの高級車に追突してしまう。面識のない後輩の女子高生をかばいすべての責任を負った男子高校生に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは・・・


■05

 フルーツジュース愛好家の男子高校生が、クラスメイトと『スイカは野菜か果物か』の議論で盛り上がっていたところ、野菜ジュース愛好家の女子高生が議論に乱入してきて「スイカは野菜よ。農林水産省がそう言ってるわ」とケンカを吹っかけてきたので、野菜ジュースを『甘くした青汁』と憎悪する主人公との間でバトルが始まる。




■06

 SNSでフォロワー30万人を誇る自己顕示欲の強い女子高生がネットでバズるため、路上に捨てたタカアシガニを撮影して『通学路にタカアシガニ落ちてたwww』とツイートしてたら、それを男子高校生に見られてしまう。女子高生に「なんでもするから、自演は誰にも言わないで!」と懇願された男子高校生は「両親が経営する売れない弁当屋をSNSでバズらせてくれ!!」と要求する。




■07

 ある日、都内で一人暮らしをする男子高校生の部屋の呼び鈴が鳴る。隣人で一人暮らしの女子高生が「自宅の給湯器が壊れました。半導体不足で修理部品が来るのは三ヶ月後です。お風呂を貸してください」と涙目でおねだりしてきて、毎日お風呂を借りにくる女子高生との隣人ラブコメが始まる。




■08

 ある日、都内で一人暮らしをする男子高校生の部屋の呼び鈴が鳴る。隣人で一人暮らしの女子高生が「カレーを作りすぎちゃったので……貴様の白米をよこせ!」と要求してきたので顔面にグーパンを叩き込んでドアを閉める。翌日、雨の降る自宅近くの公園でブランコを漕いでるJKを見つけた男子高校生は無視を決め込むが、カオスでエキセントリックな隣人のJKが「これってラブコメの冒頭の王道パターンですよね? 私はラブコメマニアなんです。さあ二人でラブコメ始めましょう!」とおねだりしてきたので、回し蹴りを食らわせて水たまりに叩き落とした。




■09

 とある病院で女の子が亡くなった。男子高校生は幼なじみの死を悲しみ、後追い自殺を考えて病院の屋上に向かう。屋上には先客がいた。同じ日に同じ病院で幼なじみの男子が亡くなった女子高生だった。愛するパートナーを失った二人は出会い、惹かれ合い、互いに消失したものを埋めあい、悲しみを乗り越えていく。




■10

 魔法学園で最も女子生徒に人気がない魔法工学部。男子高校生は魔杖職人を目指して学業に励んでいたが、そこを女子高生が訪れて「壊れた魔杖を修理してほしい」と要求する。男子高校生が「俺は学生だ。プロの魔導具屋に頼め」とアドバイスすると、女子高生は「お店では修理を断られてしまいました。この魔杖は他界した祖母の遺品で、部品もなければ構造も不明で……」と困った様子だった。男子高校生と女子高生は古びた魔杖を解析し、必要な部品をリストアップして、加工方法に目星をつけて、二週間のゴールデンウィークの休みを期限に魔杖修理の旅に出る。




■11

 体育祭の打ち上げにクラスで唯一人呼ばれなかった男子高校生は、孤独を紛らわすように一人カラオケ(ヒトカラ)をしていた。隣室には女子の策略で嘘の待ち合わせ場所を連絡されて一人で寂しそうにヒトカラを楽しんでいる、学校で一番モテる女子高生がいた。ガラの悪い男に絡まれたヒトカラ美少女を助けた男子高校生。こうして男子高校生と女子高生の甘酸っぱい青春ラブコメな日々が始まる。




■12

 女子高生には秘密があった。それは異常に体毛が濃ゆいことだった。そのムダ毛は針金の如し。並のカミソリでは刃が立たず、永久脱毛を申し込んだら美容外科医が「当院のレーザーじゃ太刀打ちできない……」さじを投げる。そこで実家が刀鍛冶の男子高校生に「最強のカミソリで私のムダ毛を処理してほしい」と要請したら、なんかいろいろあって女子高生の裸体にカミソリを当てて全身のムダ毛を処理する流れになってしまう。




■13

 学業の都合でユニコーンを捕獲しないといけなくなった男子高校生は、クラスメイトの女子に「処女がいたら協力してほしい!」と協力を要請する。しかし同じクラスの女子は全員経験済みだった。担任の女教師は処女だが年齢は43歳。汚れなき乙女を求める男子高校生が途方にくれて泣いていると、面識がない女子高生が「なんで泣いてるの?」と聞いてきたので事情を説明する。赤面する女子高生は処女だった。困っている人を放置できないおせっかいで、断れない性格の女子高生は、男子高校生のユニコーン捕獲に協力することを約束する。




■14

 男子高校生の部屋に、剣と魔法の異世界から女子高生が転移してくる。異世界チートな物語に憧れていた女子高生は「私の魔法で無双します!」と狂ったことを言い出す。異世界の魔法学園から転移してきた女子高生が宣言したとおり、現代世界を魔法チートで無双しまっていると、世間に内緒で現代を生きる魔術師な幼なじみの美少女が「ウィザード級の魔法使いじゃないっ!?」と驚愕する。




■15

 男子高校生が『知り合いじゃない男子高校生と女子高生を知り合いにする方法を考えなさい。ただし、できるだけありきたりではない方法で』という条件で色々と考えるが、知らず知らずのうちにありきたりな知り合いになるパターンばかり考えていることに気づいてしまう。そこで初心に立ち返って01~05ぐらいのありきたりでない方法で女子高生と知り合おうと考えた結果、男子高校生は自らの股間にチクワをハメてマヨネーズを垂らし「ボク、チクワおちんちんマン! ボクのチクワをお食べよ!」と見ず知らずの女子高生に話しかけたところ警察を呼ばれてしまい、取調室で刑事に「なんでこんな馬鹿なことをしたんだ?」と問われる。釈放後、被害者の女子高生が赤面しながらマヨネーズ片手に「あのぉ……チクワ食べてもいいですか?」とおねだりしてくる。話を聞くと女子高生も『知り合いじゃない男子高校生と女子高生を知り合いにする方法を考えなさい。ただし、できるだけありきたりではない方法で』という修行で苦しんでいて、二人は共に『カオスな男女の出会いを追求して実践』する仲になる。




■16

 知り合いじゃない男子高校生と女子高生を知り合いにする方法を考えなさい。ただし、できるだけありきたりではない方法で


CHATGPT:以下は、知り合いじゃない男子高校生と女子高生を知り合いにするいくつかの方法です:


アートコンテスト:地元のアートコンテストを主催して、男子高校生と女子高生に参加するように招待します。彼らがアートを通じて出会うことで、共通の興味や話題が生まれる可能性があります。


スポーツイベント:地元のスポーツイベントを開催し、男子高校生と女子高生に参加するように招待します。彼らが競技や運動を通じて出会うことで、友情や興味が生まれる可能性があります。


ボランティア活動:地元のボランティア団体に参加し、男子高校生と女子高生にボランティア活動を勧めます。共通の目的や利益のために一緒に働くことで、友情が生まれる可能性があります。


サマーキャンプ:サマーキャンプを主催し、男子高校生と女子高生に参加するように招待します。共通の興味やアクティビティーに参加することで、友情が生まれる可能性があります。


趣味グループ:共通の趣味や興味を持つグループを主催し、男子高校生と女子高生に参加するように招待します。彼らが趣味を通じて出会うことで、共通の話題や関心事が生まれる可能性があります。


以上の方法は、男子高校生と女子高生が出会い、友情や興味を共有する機会を提供することを目的としています。ただし、必ずしも成功するとは限りません。重要なのは、彼らが自分自身で自然な方法で交流できる環境を作ることです。





■17

俺「ねぇCHATGPT。もっとありきたりじゃない、常人では考えつかない方法で男子高校生と女子高校生が知り合うモノを考えてよ」


CHATGPT:以下は、常人では考えつかないかもしれない、ユニークな方法で男子高校生と女子高校生が知り合う方法です:


仮想現実空間でのコラボレーション:男子高校生と女子高校生が、仮想現実空間上で協力してゲームをプレイしたり、プロジェクトに取り組んだりすることで、共通の興味を見つけることができます。この方法での出会いは、現実世界での出会いと同じくらい有意義であり、刺激的である可能性があります。


共通の課題に取り組む:男子高校生と女子高校生に、特定の課題に取り組んでもらいます。例えば、地元の環境問題を解決するために、彼らに協力してもらうなどです。これにより、彼らは共通の興味を持ち、協力することで相互理解が深まり、友情を育むことができます。


芸術的なコラボレーション:男子高校生と女子高校生に、一緒に音楽を作ったり、ダンスを披露したりすることを提案します。この方法での出会いは、芸術や文化に関心を持つ人たちにとっては魅力的な方法であり、彼らが共通の趣味や関心を見つけることができる可能性があります。


基地となる場所を作る:男子高校生と女子高校生に、一緒に自分たちが使える場所を作るよう提案します。例えば、DIYの工作場所や、コワーキングスペースなどです。これにより、彼らは共通の利益を持つことになり、一緒に時間を過ごすことができる場所ができます。


オンラインコミュニティを作る:男子高校生と女子高校生に、オンライン上に自分たちのコミュニティを作るよう提案します。例えば、共通の興味や趣味を持つ人たちが集まるフォーラムや、ソーシャルメディアグループなどです。これにより、彼らは自分たちの興味に関する情報を共有し、オンライン上でつながることができます。


「人工知能、使えねぇな……

 もっとカオスなネタ

 便意が限界な男子高校生が、男女共用の公衆便所に駆け込もうとする。

 ジャストタイミングで、便意が限界の女子高校生が現れる。

「俺が先に入る!」

「いいえ、私が先よ!」

 言い争った結果、先に個室に入ったほうが勝ちというルールになる。

 二人は同時に便所の個室に入る。

 ドアが閉まった瞬間、停電が発生する。

 公衆便所の電動ドアは、停電しているので開かない。

 密室に閉じ込められた、便意が限界の男女。

 何も起きないわけもなく……

 』

 な、トチ狂ったネタを考えろよ……」




■18

 男子高校生は気づいてしまう。

 通学中、いつも同じバスに乗車する女子高生の本体が眼鏡であることに。

 RPGでよくあるパターン。

 無限に再生するけど、弱点を攻撃するとアッサリ倒せる系の女子高生だ。

 男子高校生は、裂帛の気合のもとにメガネっ娘の眼鏡に白刃を振り下ろす。

「斬り捨て御免!」

「バリア!」

 眼鏡バリアーで、奇襲は防がれてしまう。 

 女子高生は眼鏡を「クイッ」と指で動かしながら言うのだ。

「あなたの弱点は左乳首ね」

「なぜそれを……はぅぅぅぅぅ!」

 男子高校生の左乳首に吸い付く女子高生。

 男子高校生は息絶えた。

 女子高生は眼鏡をクイクイッと指で動かしながら言うのだ。

「私のスカウターは全てを見通すわ」




■19

 男子高校生は、真性のロリコンだった。

 あるところに、見た目の年齢が10歳ぐらいなロリ系の女子高生がいた。

 映画館でアルバイト中の男子高校生は、子供料金で乗り切ろうとするロリJKに「動くな。俺はロリコンだ。年齢詐称は立派な詐欺罪だ」と警告する。

 ロリは「気持ち悪い!」と至極当然な反応をする。

 男子高校生は「13歳以上はババアなんだよ」と吐き捨てる。

 そして「イエス、ロリータ。ノータッチ。俺は決して三次元のロリに手を出さない。遠くから見守るだけだ」と性癖を語ると、おねショタ要素のある子供向けアニメ映画を鑑賞しようとしていたロリな女子高生は「私はおねショタが好きなの!」と性癖を明かす。

 男子高校生が「貴様におねショタは無理だ。二次元で我慢しろ」と断言すると、女子高生も「あんたもロリに手を出したらおまわりさんよ!」と言い返す。

 おねショタ好きなロリ女子高生と、真性ロリコン紳士な男子高校生。

 三次元では叶うことのない性癖暴露系ラブコメが始まる。




■20

 都内で一人暮らしをしている男子高校生は、隣人のママになる。

 同じアパートの隣室で一人暮らしをしている女子高生は、家事が壊滅していた。

 お嬢様学校に通う清楚で可憐な完璧美少女と名高いらしい隣人の女子高生だが、部屋はゴミ屋敷でゴキブリが発生していた。

 ゴキブリがダメな女子高生は悲鳴を上げて、それを聞きつけた男子高校生に「助けてくださぃ……」とすがりつく。

 家事マニアの男子校高校生は「汚ければ汚いほど燃える。ズボラな女ほど惹かれるのだ」と犬歯を剥き出しに嗤いながら、隣人の汚部屋を掃除し尽くす。

 その日から、男子高校生は女子高生のママとなる。

 掃除し、洗濯し、料理し、ベッドの下に隠していたエロい少女マンガを机の上にきれいに並べ、隣人の女子高生を甘やかしまくり、親の愛情を知らずに育った隣人の女子高生から「私のママになってください……」と懇願される。




■21

 ある日、下校中の男子高校生が女子校生Aと出会う。

 女子校生Bと出会う。女子校生C~Hと出会う。

 女子高生たちは合体してキング女子高生になって男子高校生に告白してくる。

 男子高校生は告白を受け入れるが、女子高生は8人に分裂してしまう。

 8等分のハーレムラブコメが始まるかと思ったが、


女子高生(頭部)「大好き」

女子高生(胸部)「着痩せするけどEカップです」

女子高生(右腕)「趣味はお料理よ」

女子高生(左腕)「どこ見てるのッ、エッチ!」

女子高生(腰部)「あのぉ、手をつなぎませんか……?」

女子高生(右足)「そう固くならないで。リラックス、リラックス」

女子高生(左足)「喜びなさい。あたしみたいな美少女と交際できる幸運を」

男子高校生「8等分のハーレムラブコメってそういう意味かよ! あとパーツがひとつ行方不明なんだが!」

女子高生(肝臓)「ありきたりじゃない出会いを考えた結果なのだぴょん。需要とか面白いとか興味ないのだぴょん」

男子高校生「たぶん、いろいろとずれてると思うんスよね……あと語尾がうざい」


22

 男子高校生の陰キャは、学校で孤立していた。

 クラスメイトの半分とは、会話をしたことすらない。

 陽キャで人気者な女子高生も、そんな会話をしたこともない生徒の一人だった。

 ある日の放課後、街で男子高校生が陽キャの女子高生に話しかけられる。

 陽キャに「同じ制服だから同じ学校だよね。1000円貸して!」とおねだりされる。

 男子高校生は面倒なので「ちゃんと返してくださいね」と千円札を渡す。

 陽キャの女子高生は「利子つけて返す!」と約束した。

 翌日の学校で、陽キャの女子高生が陰キャの男子高校生に話しかけてくる。

 陽キャは千円札を渡しながら「利子つけて返すと言ったよね。陰キャをクラスの人気者にプロデュースしてあげる!」と、ありがた迷惑なことを言い出す。




■23

 ビルの屋上で、女子高校生が異能バトルをしていた。

 そこに謎の男子高生が現れて、

「ワザとらしい炎属性の異能。

 メインヒロインっぽくてたまらないねぇ。

 台詞の『消し炭よ!』もありきたりでグッド。

 そう、それでいいんだ。

 異能バトルはありきたりで構わないんだよ」

 とコメントする。


 女子高生が異能バトルをするたび、謎の男子高校生は現れる。

 そして、


「氷属性の異能。

 敵の足を地面ごと凍らせるのは良き。

 身動きできない敵に『つららで串刺にしてやろう』。

 わかってるねぇ。

 やっぱり氷属性はこうでなくちゃ」


「うーん、炎属性と人体自然発火の異能か……これはまずい。

 火系統がダブってしまったぞ」


 と、好き勝手にコメントしていくのだ。正直うざい。


 謎の男子高校生は、異能者ではない。

 異能バトルを愛し、異能バトルに幸福を見出し、だけど巻き込まれない凡人だ。

 孤独の異能バトル観察者な男子高校生は、語るのだ。

「異能バトルはね。

 誰にも邪魔されず自由で なんというか警察とか自衛隊の存在は無視しなきゃあ」




■24

 男子高校生は、スーパーでバイトしていた。

 閉店1時間前、お弁当に半額シールを貼る神聖なる業務を行う。

 虎視眈々と獲物を狙い定める常連の中に、新顔の女子高生が混じっていた。

 シールが貼られる。戦いが始まった。

 女子高生が半額弁当争奪戦に巻き込まれて、負傷してしまう。

 男子高校生は女子高生をバックヤードに連れていき、かすり傷の手当を行う。

 女子高生の制服が、お嬢さま私立女子高のものだと気づく。

 そんな裕福そうな女子が半額弁当を狙うのは不思議だったので事情を聞くと「両親が離婚協議中で、親はいつも喧嘩してばかりで、そんな家にいるのが辛くて私は家出中だけど、お金も底をつきかけてて……」と語る。

 男子高校生はシングルマザーの母親に電話して「家出中の女子高生と知り合ったんだけど、何日か泊めてもいい?」と確認してから、行く場所がなくて困っている女子高生を自宅に招待する。



■25

 28歳のOL(年齢=彼氏いない歴→処女)が、ハロウィンパーティーに学生時代の制服姿で参加し、バリピな宴で、呑んで騒いでの大騒ぎをする。

 翌日の早朝、若さの衰えを感じるボロボロの体で帰宅していると、ガラの悪い男たちに絡まれてしまう。

 ハロウィン翌日でテンションがアゲアゲの男たちは、28歳JKを本物のJKと勘違いしてナンパしてくる。

 OLが困っていると、男子高校生が偶然通りかかってきて助けてくれる。

 男子高校生はOLを「大丈夫か?」と気遣い、制服を見て「同じ学校だよな」と言う。

 OLは(同じ学校よ。10年前に卒業したけど)と、心のなかで毒づく。

 男子高校生が顔を近づけてくる。クンクンと匂いを嗅がれる。

 OLの頬が染まる。

 男子高校生が「酒臭い。先生には内緒にしといてやるから、未成年飲酒は今回限りにしておけ」と警告してくる。

 女子高生(28歳)がお礼を言いたい気持ちと正体をバラしたくない葛藤で揺れ動く感情で「あのぉ……」と言いよどむと、男子高校生は名前と学年クラスを告げる。

 OLは反射的に「連絡先を交換してください!」と、自分がなんちゃって女子高生であることを内緒にしたままスマホを取り出した。



■26

 男子高校生は、お昼休みに放送部が流す番組が好きだった。

 音楽が1曲流れ、放送部員たちが数分トークをするだけの短い番組だ。

 男子生徒は、パーソナリティの女子生徒の大ファンだ。

 明るく気配り上手なトークと、ハキハキと透き通った声に、彼は癒されていた。

 ある日、前髪で顔全体を隠した陰気な女子生徒が廊下で歩いていた。

 男子生徒の前で、大量のプリントを抱えた陰気な女子高生は転倒する。

 男子高校生が「大丈夫か?」と声をかけると、返ってきたのは「ひぃ、あ、あぁ……うぅぅ」という怯えた声だった。

 その声は、昼休みに毎日聞いている声と同じだった。

 男子高校生は「ラジオのパーソナリティー?」と聞くと、前髪で隠れた瞳に涙を浮かべる女子高生は首をコクコクと上下して肯定する。

 女子高生は極度のコミュ障だが、ラジオでは明るく社交的になれるという。

 コミュ障ゆえに学校で孤立する女子高生は、女子から軽いイジメを受けている。

 放課後にプリントを運ばされるなど、雑用を押し付けられても断れない性格だ。

 そんな彼女には、将来は声を仕事にするという夢がある。

 コミュ障には無理と夢を諦めていたが、熱心なファンは黙っていない。

 男子高校生は「俺がおまえを人気者にしてやる!」と宣言する。

 彼女のコミュ障を克服するために「まずは井戸で溺死した女みたいな髪を切れ!」と叫ぶ。

 コミュ症の女子高生は、鼻息の荒い男子生徒に怯えるのだった。



■27

 男子高校生は、屈強なゲイの集団に拉致されてレイプされる5秒前だった。

「ソイヤ! ソイヤ! ソイヤ!」

「ヘルプ! ヘルプ! ヘルプ!」

 褌一丁の益荒男たちが和太鼓を叩く中、ゲイ軍団が男子高校生の桃尻を狙う。

 そこに女子高生が現れて「私をレイプしていいから男の子は見逃してあげて!」と叫ぶも、ゲイたちは「ソ嫌! ソ嫌!」と拒絶する。

 女子高生は慈愛に満ちた優しい笑顔で「私では助けられない。お尻は緩めるよりチカラを入れて引き締めるほうが挿入時に痛くないそうよ」とアドバイスする。

 男子高校生が抗議すると、女子高生は「助けてほしいなら取引よ。私のマスコットキャラになりなさい!」と選択を迫る。

 意味不明だが掘られるよりマシと「イエス!」と答えると、女子高生が光に包まれて裸体のシルエットが浮かんだかと思うと、ひらひらの魔法少女のコスチュームに変身して、手にしたパステルピンクのステッキでゲイたちを撲殺していく。

 魔法少女はゲイの返り血を「ペロリ」と舐めながら、男子高校生に「魔法少女にマスコットは必須。だけど今の私にはマスコットがいないの」と語る。

 前任のマスコットはどうした?と尋ねると「心の風邪で精神科医からドクターストップがかかったわ」と不吉なことを言い出す。

 魔法少女のマスコットキャラに選ばれた男子高校生は、現代社会で人知れず戦うマジカルでリリカルなバトルに身を投じる事になる。


「次に倒す怪人はインボイス制度。クソみたいな怪人よ」

「全ての日本国民のため、怪人インボイス制度だけは、絶対に倒さねぇとな……」



■28

 男子高校生は「リア充爆発しろ!」と願っていた。

 悲惨な高校生活をノットエンジョイする男子高校生は、ある日「恋愛アレルギー体質」の女子高生に話しかけられる。

 恋愛アレルギーとは、人間がラブ的にドキドキしたり恋的にキュンキュンすると毛穴から発散されるホルモンに過剰反応してしまう体質のことだ。

 恋愛アレルギーのせいで、女子高生は近くで誰かが恋に恋する青春をエンジョイすると鼻水が止まらなくなる。

 もちろん、自分がドキドキすると毛穴からホルモン出てしまい鼻水モード。

 非リア充の男子高校生と、恋愛アレルギーの女子高生は会話する。

「どうして俺にそんな話を?」

「調査の結果、この学校で唯一ドキドキしない男子があんたと判明したわ」

「つまり?」

「あなたを男として見ていない」

「(´・ω・`)……」

 鼻水女には好きな男子がいて、それは男子高校生の親友だった。

 非リア充と鼻水少女の、レモンみたいに甘酸っぱくて、鼻水みたいにしょっぱいラブコメ。



■29

 男子高校生の父親は、コーヒーショップを経営している。

 落ち着いた北欧風の調度品で統一された店内に、常連の女子高生が来ていた。

 腰まで伸びた黒髪。長いまつげと切れ長の瞳。

 整った容姿には憂いがあり、寡黙でクールな雰囲気と相まってミステリアス。

 彼女は店を訪れると、毎回コナコーヒーを注文して、ノートパソコンと向き合う。

 店番を勤める男子高校生は、常連の女子高生から話しかけられる。

「キミの視線には気づいているぞ。言いたいことがあるなら口にして構わない」

 男子高校生はドキッとする。

 悩んだ末、男子高校生は女子高生に恋い焦がれていると告白する。

 女子高生は微笑を浮かべて、

「キミはあざとい男だ。女性が妊娠するかしないかは女性ホルモンのエストラジオールが影響する。この量は平均28日の月経周期で上下するが、今日の私は排卵直前の最もエストラージの量が多い時期だ。キミがチラチラと私に注目していたのは、キミが本能的に私を妊娠させやすい日であることを察知して、私の性的な魅力を普段より強く感じてしまい、告白という行動に移ったわけだ」

 と、面倒くさいことを語りだす。

 クールな態度はそのままで饒舌な女子高生は「恥じることはない。健康で適齢の女性を魅力的に感じて妊娠させやすいタイミングで告白行動に移る、キミのようなあざとい個体はオスとして優秀と評価できる」と称賛する。

 女子高生は「さて、告白の返事だがキミは私にとって魅力的ではない。キミのことをよく知らないからな。男は女性の肉体的な魅力に強く惚れて、女は男の経済力に強く惹かれる傾向がある。見たところキミは経済的に魅力的ではない。私がこう思うのも自然淘汰の関係で――」と、解説が止まらない。 

 男子高校生が「俺があなたに惚れた感情は打算的なモノではない」と否定するが、女子高生はニヤッと笑顔で「全ての動物の行動は自然淘汰による進化だ。男子が巨乳を好む理由も、胸が大きくてウエストが引き締まった女性のエストラジオールが多い傾向があるからとされる」と語り、最後を「あらゆる恋愛感情は、もちろんキミの好きも科学で解説できる」と締めくくる。

 恋は数式ではないと理想を持つ男子高校生は否定するが、コーヒーショップの常連の女子高生は楽しげな様子で「面白い。キミの好きを科学してやろう」と言った。




■30

 憧れの先輩に渡したバレンタインのチョコをメルカリで転売された女子高生は、やけくそになってマッチングアプリに登録する。

 人工知能が決めた最高に相性の良い男子と会うことになったが、そこに現れたのはブサイクで背の高い男子高校生だった。

(人工知能のバカ野郎!)

 憤慨する女子高生だが、ブサイクは話してみるとイイやつっぽかった。

 その日は連絡先を交換して、ブサイクな男子と別れる。

 その日の夜、シングルファザーな父親が女子高生に「再婚する」と告げる。

 父親の『デキ婚』というキツ過ぎるイベントだが、再婚は祝福した。

 数日後、新しい母親とその連れ子と出会うことになる。

 顔合わせの場に来たのは、マッチングアプリで相性バツグンと言われたブサイクな男子高校生だった。

 義理の姉弟となった二人は、ひとつ屋根の下で暮らすことになる。

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新企画「○○な○○○のラブコメ!」 相上おかき @aiueokaki

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