さよならを告げるその日が来る前に

カクヨム甲子園2022 ロングストーリー部門
奨励賞おめでとうございます。


リレー形式のスピンオフ的な作品。
大人っぽい現代ドラマである本作は、大人になった女性の機微を取り上げている。
根底に十代をどう過ごしてきたのかが潜んでおり、登場する一人ひとりのキャラクターの人生の背景がよく描かれている。

本作は、四人の主人公で書かれている。
サブタイトルにキャラ名をつけるか、三人称で書かれるか、順番を入れ替えるなどの工夫があると良かった。

谷口さんが「いつかまた二人でこのフォンダンショコラを食べに来てくれるはずだから」と待っていたのは、斎藤晴音と母親のことだろう。
西岡さんとともにカフェに行こうと提案したが、はたしてカフェに食べに行ったのかしらん。
谷口さんは二人にフォンダンショコラを出していないので、少なくとも谷口さんが店にいる間に来店していないのだろう。
谷口さんはどこへいってしまったのか。

谷口さんの作ったフォンダンショコラとは、どれほどの美味しさなのだろう。
正直食べたくなった。