恋する十六歳のすべて

 好きな女の子に自作のラップをプレゼントする、とある男子高校生のお話。
 あるいは恋に限らず、自分をめぐる世界のいろいろに思い悩む十六歳の物語。

 とにかくもう、こう、ただひたすらに青春! なお話でした。
 若さと青臭さだけでできた文章と物語。
 直視するにはあまりに眩しすぎると感じるのは、かつて自分もそんな時期を過ごしてきた記憶があるから。

 あるいはその記憶、いまなお心の真ん中に居座っているというか、とても個人的な感想を言ってしまうのなら、それこそ自作小説なんか書いたりしてるので……。

 悶えました。
 ラップは全然わかんないのに、でも確かに身に覚えがあるこの感じ。

 物語部分そのものはしっかりハッピーなラブコメしてくれるところがよかったです。
 青春年代の恋物語はやっぱり幸せなのが一番なので。

 独特の文体(というかラップ)もあり、文章で読むより実際に聴いてみたい作品でした。