少女は戦う、翅のような剣と共に。
ケモノと戦う術を身につけた主人公が、それと戦い成長していく物語である。その武器は蝶の翅の如くであり、それがまた美しい。
ケモノとは何かといえば、黒い靄から生まれ出る人の目をしたもの。
主人公は強くて美しいが、ただそれだけでは人間からかけ離れてしまう。彼女はそうではなく、年相応な面も見せることで、読み手にどこか親近感というか親しみやすさを見せてくれる。
何よりケモノを滅する瞬間が美しい。そう思えた。ある意味でそれは、誰かを邪心から解き放つ瞬間であるのかもしれない。
外典とのことで、本編も気になるところです。
強く美しく、そして年相応な彼女の冒険譚。ぜひご一読ください。
主人公アルマがケモノと戦う術を身に付け活躍する物語。
ケモノと言ってもいわゆる実体のある野獣ではない。この物語でいうケモノとは、邪心のようなもの。これが時には黒い靄のように迫ったり狼など野獣の形をとったり、あるいは人に取り憑いたり。
異形の存在と戦うには、生まれながらにして持つひとつの資質が必要。幸か不幸か資質を持っていた主人公は、同じく資質を持つ戦士である叔母から手解きを受けてケモノと戦う戦士になる。
舞台は中世的な世界。貴族的な社会もある。しがらみなどもいろいろある中で聖女に出会い仕えるなどの冒険譚が語られる。まだ物語は半ば。でも間もなく大きな山場を迎えます。この続きに期待しましょう。
第3章まで拝読したレビューになります。
黒い靄から発生するケモノと呼ばれる異形が見える主人公アルマは、同じくケモノが見える女傑ジルケに師事を仰ぐ。
ヒトの目をした黒いケモノ。オオカミやウサギ、クマのような獣の姿をしていることもあれば、人間やドラゴンを象った場合もある。
そんな異形と対峙するアルマが扱うのは幅があり刀身が薄い蝶の羽のような剣。冒頭でその描写が出てくるのだが、とにかく美しい。アルマ自身も美しいのだが、翅脈が透けるほど薄い刀身が鮮烈に黒いケモノを切り裂いていく様に惚れ惚れしてしまう。
こちらはスピンオフ的な派生作品ということだったので、随所にちりばめられた本編への布石も見事でした。白炎が関係してくるのでしょうか……?
美しく聡明なアルマが活躍するであろう本編に胸を躍らせつつ、この作品を最後まで追ってみたいと思います。
豊かな表現力で綴られる少女の戦いに、きっとあなたも惹き込まれるはずです。ぜひご一読ください!