歌仙たちの雅な色恋

 時は平安、六歌仙がひとり文屋康秀が、「訳あり」の姫君との縁談を進めるお話。

 平安時代を舞台にした恋愛ものです。
 時代ものとしての雰囲気もさることながら、本当にガッツリ恋物語してくれるところが本当に大好き。

 馴れ初めからゴールインまでをきっちりワンセットで描いた、この堂々たる恋愛劇っぷり!
 なにより姫君の人知れない葛藤というか、ふたりの恋の妨げになっている「訳あり」要素がたまりません。
 正確には中盤の山場、それが具体的な形となって現れる場面がもう……本当にストライクで……。

 また、なによりの魅力はやはりキャラクターの性格そのもの。
 雅で艶やかな大人でありながら、ふたりとも初々しくて奥ゆかしいところが本当に大好き。またその性格に説得力のあるところも。
 主人公、端的に言っちゃうと「顔のあんまり良くないフラレ男(しかもまだ失恋を引きずってる)」になっちゃうんですけど、それがこんなに可愛く好ましいのがもう本当にすごい。

 読後に「恋の話を読んだぞー!」となる、とても満足度の高い作品でした。