概要
かつての憧れ。
1話完結。短編
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- ★★★ Excellent!!!眩しくて、胸をしめつけるような不在の証明
ふとした時に思い出す人がいる。陽なたを歩くKの姿が眩しくて、本当は近付いてみたい気もするが、そっと距離を置く。けれどKに対して抱く思いは、淡い恋心という訳でもなく。現代日本においてひとつのトレンドともいえる「推し」という存在に近いのかもしれない。
淡々と語られる思い出は色褪せることなく、僕のなかで息づいている。虚しさだけを募らせながら中学校生活をやり過ごしていた日々に、明かりを射すような存在。それが、Kだった。
Kと僕の間に共通点を見出せたことの高揚感と、刹那の優越感はその記憶を確かなものにする。弧度法が、二人にだけ通じる合言葉のようなものだった。
互いに別の道を歩き始めたとき…続きを読む