最終話 それから

 それから数十年後。


 王都の街では人間と魔族の子供たちが仲良く走り回っている。

 俺はそんな姿を城の部屋からのんびりとみた。


 空は澄んでいて、世界はどこに居ても同じ空の下かもしれない。


「シュタルさん。どうしたんですか?」

「リュミエール……」


 俺の後ろには、美しく成長したリュミエールが微笑んで立っている。


「子供たち……ですか?」

「ああ、ここまで来るのに……長かったなと思ってな」

「シュタルさんがいてくれたから……ここまでできたんですよ」

「お前のお陰でもある。【最強】だけでは……できない事が多かった気がする」

「それでも、全てのきっかけはシュタルさんが最強だったからです。本当に……最初はどうなるかと思いました。ドラゴンを倒して蘇らせるんですから」

「懐かしいことを覚えているな」

「忘れませんよ……。あなたとの記憶は」

「そうだな……」


 そうやって話していると、後ろからあまり変わっていないアストリアが現れた。


「あー! 2人だけはずるいよ! ボクも混ぜてよね!」

「別に仲間外れにしてはいませんよ」

「じゃあ何を話していたの?」

「長いこと来ましたね……という事を話していただけです」

「そう……だね。最初はあんなに他の国から反対されて……戦争になりかけた。でも、そう言ったことを乗り越えて……ここまで来た」

「これからも続けていく。あたし達がやることだろう?」


 アストリアの後ろから現れたのは妖艶な姿のヴァニラだ。


「まだまだ人間と魔族の仲は問題ないとは言えない。この国でやっと芽吹き始めただけ。そんな風に語るのはまだまだ早い」

「そう……だな。では……これからも手伝ってもらうぞ?」

「当然だ。魔王であるあたしを屈服させたんだからな? それくらい当然してもらわねば」

「いつまでそのネタは引っ張る積もりなんだ?」

「一生に決まっておろう? もちろん、他の2人には負けんがな?」

「ふふ、シュタルさんの隣は譲りませんよ?」

「ボクだって負けないからね?」


 そんな事を話しながら、俺はこれからのことを考える。

 まだまだ俺はやらなければならないことがある。


 でも、少しくらいは……こうやってゆっくりと……4人でくつろぐことがあってもいいんじゃないのだろうか。

 そう思える。


 それが終わったら……また、俺は最強だと証明し、他の国にも、魔族との……いや、他にも虐げられている者達を助けていく。

 最強の俺がまず動き、それに後の者が付いてくる。


 そうやって、世界をより良くしていく。


 最強である、俺がそう望むのだから。





FIN



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ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。


楽しんで頂けたら幸いです。


それと、新作を投稿していてとても面白いので、良ければご覧ください。


https://kakuyomu.jp/works/16817330650395910013

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最強すぎて追放された【最強】スキル持ちの最強魔剣士、〈最強〉を目指して最強に険しい道を進み真の最強に至る 土偶の友@転生幼女3巻発売中! @doguunotomo

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