もしも現実だったら…。

ある条件を備えていなければ入隊できない、特殊部隊。咲良と理津はその新入隊員だ。ふたりの初陣となるその日も、特殊部隊は怪物と戦う。怪物の正体とは? そしてこの戦いに終止符が打たれる日は来るのか? …仮にこれが現実の世界で成立するとしたら、どれほどおぞましい怪物が生まれていることだろうか。リアルな世相に思いをはせてしまう一方で、ファンタジックな設定も重要なカギとなっていて、両方の要素をバランスよく融合させる力量がスゴイ。しかもこの文字数でこんなに深い世界を構築させて、完結まで描き切る表現力。当レビュー筆者が書こうとしたら、この文字数ではゼッタイ無理だな…。

当レビュー筆者が好きなのは、戦闘を終えたチームが居酒屋でくつろぐ場面。ほっと安心した雰囲気と、ガヤガヤした居酒屋の空気の中で、飲食の様子がとてもはっきり「見える」。メンバーの性格や嗜好がさりげなく織り込まれて、とてもいいシーンだと思う。

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