第8話 悪い奴ではないんだろうな

 綿津見は俺に自分のイメージについて聞いてきたが到底そんな事考えてたことなかったが、とっさに


「そんなことお前が一番知ってるんじゃないの」


 といってしまった。人によっては不快感を与えるかもしれない。人間同士のトラブルを引き起こさないため、答えを考えたが、とっさに出てきたことを言ってしまった。しかし、綿津見からは予想外の反応が帰ってきた。


「アッハハッハハハハッハハハッ」


綿津見は一瞬驚いたような嬉しいような表情を見せたあと、笑っていた。


「初めてだよ!そんなこと言ったの、拓くんぐらいだよ!」


 何がなんだかよくわからんがトラブルにはならなかったみたいだ。しかも俺を下の名前で読んでいる。こいつってこんな奴だったか?

 教室には、笑い続ける綿津見と、困惑している俺の、不思議な雰囲気が漂っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

来世は蝶になりたい少年の苦悩 @hositukiyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ